9月定例会 一般質問報告・1

9月定例会が閉会して2週間が経ち10月に入り、秋祭りの最盛期を迎えようとしています。
この間、韓国ハプチョン郡の “大蔵経千年世界文化祝典” に参加した後、地域の体育祭や運動会、敬老会と、秋の恒例の催しが一杯でした。
ちょっと一息ついたところで、この議会で私が行った一般質問の報告をします。
今回は、2件のうちの 「集落内市道整備について」 を行います。
【質問】
少子高齢化社会となり、人口減少時代が到来している。
これまで人口増加とともに人の住む生活の場は劇的に拡大、移転し、半世紀前には居住地にすらならなかった地域が、立派な住宅地となり発展してきた。
一方、以前から拡大の時代から縮小の時代へ変化することに対して、政治及び行政の政策立案のあり方が問われてきた。
人口減少時代にあって、大地震やそれによる津波、強烈な台風による豪雨の水害など、自然災害への危機意識が日常化し現実味を帯びてきた今、安心で安全な生活の場とはどのようなところなのかを見極めるときがきている。
代々、人が生活の場としていた集落は、古来からの度重なる自然災害からも守られた場である。
今は、緊急時の場合だけではなく、本来ならば住みやすく優良な土地が、進入路が狭いことで住みにくい場所になっている。
ここが進入しやすい場所となることで、廃屋や空家対策になり、さらに、若者が定住するきっかけとなると考える。
このような効果を市民にしっかりと伝え、市民と行政の合意に寄った集落内市道整備の気運をつくることが政策ではないかと考える。
それによって、現代に相応しい安心で安全な生活の場として再構築することが、災害に強い賑わいのあるまちづくりになるといえる。
そのための方策の一つが、集落内への進入路、生活道の確保と拡幅の促進だ。
集落内市道整備に対する現状の施策と、今後の政策化の考えについて問う。
【答弁】
集落内市道整備は、自治会等からの要望により対応、調整、整備を図っている。
要望があった場合には、必要性など、現地調査を行い、道路計画を幅員4メートル以上で市がつくり、用地は寄付をしていただき、用地取得が完了すれば、市が工事をしている。
時代によって道路事情は変化するが、集落が時代に対応できていないというのが今の実情だ。
生活するのに一番いいはずの集落から、若者が出ていくという状況が市全体で発生している。
それによって廃屋や放置家屋が増えることで、地域はすさみ、さらに若者の流出を生んでいるという、負の循環になっていると感じている。
時代の切り替えができるようにしなければならない。
例えば、日本中にないような法律を我々が考え、放置家屋新税を創設するなど、相当大胆な施策で臨む必要があると考える。
現実をどう捉えていくのか、場をあらためて議会とも抜本的な考えを話し合いたいと思っている。
1件目の報告は以上です。
次回は、2件目の 「児童館の活動について」 の報告をします。

次期ごみ処理施設方針を、特別委員会で決定

三豊市の次期ごみ処理施設建設が、いよいよ具体的な動きとなります。
9月28日(水)に開催された、三豊市議会ごみ処理問題調査特別委員会では、9月17日のこの場でお知らせしたように、9月15日に横山市長より当委員会に提案のあった、トンネルコンポスト方式の今後の建設整備工事に要する時間や、工事着手までの必要な事項についての説明がありました。
委員からの賛否の意見が出された後、提案された処理方式である 『トンネルコンポスト方式』 と、運営方法である 『民設民営方法』 に対し、全委員9名による採決の結果、8対1の賛成多数で可決されました。
次回の当委員会開催までに、今回決定された処理方式と運営方法による、民間事業者の公募に要する募集要項整備が行われ、提案されることとなっています。
なお、 「建物・設備工事に要する時間」 は、
<土地利用計画> 6ヶ月
<建築計画> 12ヶ月
<各種申請> 6ヶ月
<造成工事> 6~9ヶ月
<建築工事> 6~9ヶ月
<プラント工事> 15ヶ月
<試験運転> 2~3ヶ月
で、概ね2年6ヶ月ほどの期間を要します。
また、 「建物・設備工事着手までに必要な事項(概要)」 は、
<用地の決定> <地元協議> <用地測量試験業務> <用地造成工事設計業務> <用地開発行為許認可業務> <環境影響評価業務> <用地造成工事> <関連工事> <建物・設備設計業務> <建物・設備許認可業務> <建物・設備工事>
などがあります。
民設民営による運営方式にも、行政のかかわり方には色んな形が想定されます。
用地決定や地元協議などは、三豊市が重要な役割を担わねばならない部分です。

9月定例会報告・2

前回に引き続いて9月定例会報告をします。
今回は、補正予算関係です。
今議会に上程された一般会計の補正予算額は12億31,813千円で、補正前予算額276億85,147千円に対して、補正後予算額は289億16,960千円となります。
歳入の主なものは、
・地方交付税 734,492千円
・国庫支出金 2,641千円 (合併推進体制整備費補助金5,000千円、土木施設災害復旧補助金3,699千円、循環型社会推進交付金▲7,349千円他)
・県支出金 69,921千円 (緊急雇用創出基金事業36,132千円、農地農業用施設災害復旧事業14,100千円、介護支援体制補助金5,000千円他)
・寄付金 10,000千円 (とよなか荘より)
・繰入金 ▲601,914千円 (財政調整基金▲308,382千円、公共施設整備基金▲300,000千円、シーマックス基金繰入金5,768千円他)
・繰越金 994,732千円
・諸収入 11,870千円 (シーマックス使用料5,297千円、高瀬天然温泉使用料2,695千円、難視聴対策補助事業助成金2,800千円他)
歳出(各課別)の主なものは、
・総務課 10,591千円 (防災費9,726千円他)
・人事課 ▲28,076千円
・財政行革課 1,079,000千円 (財政調整基金積立498,000千円・現在高66億5千万円弱、公共施設整備基金積立580,829千円・現在高28億7千5百万円余他)
・地域振興課 18,697千円 (シーマックス管理事業5,768千円、シーマックス管理基金5,297千円、天然温泉管理基金2,695千円他)
・バイオマスタウン推進室 3,502千円 (定住促進事業2,977千円他)
・福祉課 9,419千円 (災害時要援護者マップ整備事業5,000千円、災害救助費2,238千円他)
・子育て支援課 30,889千円 (保育所管理運営事業・賃金23,437千円、保育所給食事業・賃金4,552千円他)
・農業振興課 9,397千円 (農業振興センター3,662千円、有害鳥獣対策3,827千円他)
・土地改良課 42,522千円 (ため池ハザードマップ13,500千円、災害復旧25,300千円、農地水保全管理支払い交付金3,022千円他)
・商工観光課 9,608千円 (観光振興事業9,324千円他)
・建設課 32,207千円 (災害復旧費関係24,542千円 、道路橋梁費関係7,665千円)
・学校教育課  13,135千円 (幼小中施設管理事業9,582千円、豊中幼稚園預かり保育3,346千円他)
生涯学習課 1,822千円 (歴史と文化によるまちづくり事業1,122千円他)
一般会計補正予算は以上のようになっています。
9月定例会報告を終わります。

9月定例会報告・1

9月1日から20日間の会期で開催されていた三豊市議会9月定例会が、上程されていたすべての議案審査を終え閉会しました。
今議会に上程されていた35議案の内、平成22年度決算認定に係る14議案は、後日開会予定の決算特別委員会での審査とするため、他の21議案について議決が行われました。
議案第91号 三豊市税条例等の一部改正について
地方税関係法の改正のため
議案92号 三豊市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について
市立西香川病院の病床を、療養病床を95床から90床に、精神病床を55床から60床に変更のため
議案第93号 三豊市詫間町防災行政無線放送施設条例の廃止について
詫間町地域で9月1日よりデジタル施設運用が開始されたため、従来のアナログ式を廃止するため
議案第94号 動産の買い入れについて
情報システム機器を一括購入するため、一般競争入札によって業者決定し契約するため
富士通四国インフォテックに50,295,000円
議案第95号 動産の買い入れ契約の変更契約の締結について
既に契約しているが、システム機器の内容変更が生じたため
富士通四国インフォテックに369,600円の減額で、変更買入価格は80,221,050円
議案第96号~98号 市道の路線認定
3件
議案第99号~102号 市道の路線変更について
4件 <101号 豊中町本山 寺家6号線と、102号 同じく寺家6号支線については継続審査>
議案第103号~110号 一般会計補正予算(第3号)他、特別会計補正予算など
議案第111号 工事請負契約の締結について
仁尾の上団地建て替え工事で、一般競争入札により菅組に2億36,250,000円
(議会初日の9月1日に可決済み)
市道の路線変更についての2件以外の33件については、可決しました。
補正予算関係の報告は、次回に行います。

三豊市の次期ごみ処理方式の提案

三豊市のごみ処理施設である 「三豊クリーンセンター」 は、平成25年3月31日をもって閉鎖となります。
そのため、これまで当市仁相応しい次期ごみ処理技術並びに方式の選定のため、 「次世代の地球環境を守る」 を基本的考えとして、「ごみはすべて資源である」 を理念に、議論・検討が重ねられてきました。
平成23年9月15日(木)、三豊市議会ごみ処理問題調査特別委員会に、三豊市の次期後に処理方式が提案されました。
実にこの日まで、3年の時間を要しました。
【三豊市の次期ごみ処理に関する提案】
(1) 処理方式
    トンネルコンポスト方式 (固形燃料原料及び肥料原料の製造)
(2) 運営方法
    民設民営を基本とする
これまでの経緯として、
平成20年7月30日に設置され、11回の審議を行った 「ごみ処理技術検討委員会」 から、平成22年2月18日に出された答申は、 『バイオガス化施設』 でした。
この答申には付記があり、排水処理や堆肥化等の可能性についても検討すべきとの提言がされていました。
よって、この答申の方向性に基づいて、いくつかの処理方式の研究・検討が行われることとなりました。
平成22年9月21日に三豊市議会へ提示された、 「三豊市におけるごみ処理の基本的な考え方」 では、 「ごみはすべて資源である」 に加え、ごみを処理する考え方ではなく、 「新しい産業と雇用機会の創出」 という、新たな方向が示されました。
事業検討の基本的な考え方は、バイオマスタウン三豊構築に向けて、 「家庭から出される燃えるごみはバイオマスである」 とし、 “エネルギーとして循環させる方式によって資源化” するというものでした。
この方式の条件は、 『臭気対策の徹底』 『処理水の適正処理』 『市財政の中期的見通しに影響を与えない処理コスト』 です。
これらの条件を満たす方式を探るため、平成22年12月6日 「技術は民にある」 ことを前提に、民間活力を最大限に導入し、地域産業の育成・振興を図ることを目的に、公募による 「三豊市一般廃棄物処理施設整備事業参加意思確認調査」 を実施しました。
7社の応募があり、審査の結果地元民間企業から提案された 『固形燃料化方式(RPF及び堆肥の製造)』 が選出されました。
ただし、この方式は海外では実用化されているが、国内では例の無いものであるため、提案者による実証実験を行うと伴に、その検証を (社)地域環境資源センター と (学)香川大学に依頼しました。
その検証結果をまとめた報告書が、平成23年8月31日付けで三豊市に対し提出されており、平成23年9月15開催の 「ごみ処理問題調査特別委員会」 に対して、提案理由と伴に 「三豊市の次期ごみ処理方式」 として提案されたのです。
以下、名文ですのでそのまま掲載します。
【提案理由】
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ごみ処理施設ではなく、資源製造工場を誘致するのだとの考えで、今後、施設建設場所や民間事業者との運用関係など、本格的かつ具体的検討が始まることになると思います。

子どもにとって 「食べる」 こととは

3ヶ月前の三豊市議会6月定例会で、 『新学校給食センター建設と “弁当の日” の関係について』 の一般質問を行いました。
三豊市で検討が進められている新しい学校給食施設を、自校方式(各学校ごとに調理)とするのか、センター方式(まとめて調理し各校へ配達)するのか、様々な意見と議論が交わされてきました。
なぜ私がそのような質問をしたのかは、次の理由によります。
私は、給食をつくり提供する設備や形態による方式の選択の以前に、 「食べる」 という生き物が生きるということの根源ともいえる行為を、子どもの教育の中でどのように捉え考えるのかが最重要であると考えたからです。
当然、今もその考えは、決して揺るぐものではありません。
学校給食で栄養のバランスがとれ、調理員さんの顔の見える温かくておいしい給食が提供されることはすばらしいことです。
その一方、学校給食だけが、子どもにとって 「食べる」 ことのすべてではありませんし、学校給食は子どもにとって 「食べる」 ことの一部だといえることです。
むしろ、学校給食が無かったとしても、家庭で栄養のバランスや心の通う温かい食事ができればまったく問題は無く、それこそが最善であるのだといえます。
その意味でいえば、学校給食施設の形態の問題よりも、子どもにとって 「食べる」 こととは、 “生きることそのものである” ことを伝え気づかせることができるのであれば、いかなる方式であったとしてもその役割は果たすことになるのだと考えられます。
この具体的な方法が、 “弁当の日” なのです。
子どもが自分自身で手作り弁当を作る体験を通して、様々な出来事を経験し、 「食べる」 ことで感動することこそが、 “生きることとは” を自分のこととして考えることにつながっていくのだと思うのです。
9月11日(日)、今、私が一番お会いしたかった人である “弁当の日” の提唱者の竹下和男の講演会が、藤田宗丈さんを代表にする 『ミトヨオヤジの会 三豊塾(さんぽうじゅく)』 主催で行われたのです。
初めてお会いして、直接お話をお聞きしました。
一つ一つの経験した出来事を語る言葉が、心にビンビンと響いてきました。
一般質問の原稿づくりのために買った、 先生の著書である 「“弁当の日” がやってきた」 に続いて、 「台所に立つ子どもたち」 を買い、サインをしていただき、握手までしていただきました。
「食べる」 ことを深く考えることで、三豊市の子どもたちは必ず健やかに成長すると信じています。
『ミトヨオヤジの会 三豊塾』 の皆さんご苦労様でして。
そして、すばらしい出会いの機会を与えていただきありがとうございました。
今後とも着実な活動を期待しています。 

少し早めの9月定例会開会

例年よりも少し早めですが、9月1日(木) 9:30から平成23年第3回三豊市議会定例会(9月定例会)が、20日までの20日間の会期で開会されました。
今月下旬には、国際友好交流都市である韓国のハプチョン郡で開催される、世界遺産 海印寺(ヘインサ) の 大蔵経千年世界文化祝典 に、三豊市物産館出展と開会式への出席の予定が控えているためです。
9月定例会の予定として、
一般質問は20名から通告があり、9月6日(火)6名、7日(水)7名、8日(木)7名の、3日間行われます。
私は、2日目の午前中になります。
3つの常任委員会は、総務教育常任委員会が12日(月)、建設経済常任委員会が開会当日の1日(木)と13日(火)、民生常任委員会が14日(水)の予定で、付託議案について審議を行います。
一般会計の9月補正予算(案)は、歳入歳出いずれも補正前予算額276億85,147千円に対して、補正額12億31,813千円で、補正後予算額は289億16,960千円となっています。
いつものことですが、これから一般質問の原稿創りに悩まされます。

9月議会を前にして

季節の移ろいは正直なもので、昨夏の尋常ならぬ暑さに引けをとらないほどの酷暑の今夏も、お盆が過ぎたこの数日は、久方ぶりのまとまった雨も降り、少なからず秋の気配を感じることができるようになってきました。
9月に入るまで残すところ10日足らずとなった8月23日(火)には、三豊市議会9月定例会に上程される議案の研究会が、全議員を対象に行われました。
また、その終了後に開かれた議会運営委員会で、議会開会日程が決定されました。
9月1日(木)を議会初日として、9月20日(火)までの20日間の会期となっています。
議案は、
平成22年度決算認定に関するものが、14議案。
条例改正及び廃止が、3議案。
動産の買い入れに関するものが、2議案。
市道に関するものが、7議案。
平成23年度補正予算に関するものが、8議案。
そして、工事請負契約の締結についてが、1議案。
以上、計35議案です。
なお、平成22年度決算認定の14議案は、9月議会内での審議は行わず、今議会で決算特別委員会を設置することを決定して、閉会後に委員会を開会し、認定の審査を行う予定です。

第3回 会派 「議会報告会」 のお礼

以前この場でもお知らせしていたように、三豊市議会の会派である 「三豊市民クラブ」 の 『第3回 三豊市民クラブ議会報告会』 が先ほど終わりました。
8月20日(土) 19:00~20:30(PM7:00~9:30)の1時間半、財田町公民館大ホールにおいて、60名ほどの市民参加をいただいて、無事終えることができました。
報告は前回どおり、3つの常任委員会と3つの特別委員会及び、広域行政組合議会、病院企業団議会の8つに分けて、それぞれ5分程度の持ち時間で所属議員が担当しました。
私は、 「総務教育常任委員会」 関係を受け持ち、この日に合わせて作成した 『クラブ会報 Vol.3』 に概ねそって行いました。
財田町地域住民の皆さんを中心に、参加いただいた市民の皆さんには、夜分にもかかわらず熱心に耳を傾けていただいた上に、貴重な意見や質問をしっかりいただき、ありがたいことだと心から感謝しています。
ありがとうございました。
次回の 『第4回 三豊市民クラブ議会報告会』 は、平成24年2月4日(土)に詫間町で開催の予定です。
市民の皆さんを目の前にして、直接語り合うことの意味の大きさを再認識しています。

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議会と執行部によるごみ処理施設視察研修・2

2日目の訪問は、愛知県豊明市の 『豊明市沓掛堆肥センター』 です。
豊明市は、名古屋市の南東に隣接し、現在、人口69,000人、28,000世帯ほど、面積は三豊市の1/10位の23.18平方キロで、名古屋大都市圏の近郊住宅都市として発展してきました。
豊明市の生ごみの堆肥化への取り組みは、ごみ減量を目的とした市民有志活動による、EMボカシを使った堆肥づくりから始まりました。
この活動を発展させ、平成11年度より、市の施策として可燃ごみの減量を目的とした 「生ごみ堆肥化事業」 に着手し、 「有機循環都市とよあけ」 を目指しています。
『豊明市沓掛堆肥化センター』 は、有機循環システムの核となる堆肥化施設として、平成17年に、総事業費約1億3,000万円で建設されました。
処理能力 : 3.0t/日
堆肥化方法 : 微好気堆積発酵処理
工程 : 生ごみに副資材の 「モミガラ」 「牛糞堆肥」 「戻し堆肥」 を混合した物を、床面から送風して発酵促進させ、3.5ヶ月間一次発酵を行う。その後、2ヶ月間二次発酵し、1ヶ月熟成させ、完熟堆肥とする。
現在、8,000世帯の生ごみ300t/年から、95t/年の堆肥生産をおこなっています。
生産された完熟堆肥は、 【とよあけEco堆肥】 のブランドで、市民農園や農地の土壌改良剤として販売されており、 【生ごみ→堆肥→土づくり→農産物→料理→生ごみ→・・・】 の有機循環推進事業の様々な取り組みの中でも、評価も良好で積極的に活用されています。
1袋 : 20リットル入り約6kgで200円/袋
軽トラック : 1車(バラ)約1㎥で2,000円/車
年間売り上げは185万円ほど。
当施設の生産業務は、現在は障害者授産施設の社会福祉法人に委託されています。
委託費 : 年間総額1,400万円で、内訳は施設管理費900万円、収集運搬500万円 
障害者の働く場としての役割も担っている。
対象地域8,000世帯の生ごみ収集方法は2種類あり、戸建住宅は “生分解性プラスチック専用袋出し”(生ごみ堆肥化の工程で水と二酸化炭素に分解される) で、また、団地は “バケツ出し” で、いづれも市民の力で精度の高い分別収集が実践されています。
尚、対象地域以外の20,000世帯の可燃ごみ収集方法は、生ごみを含む可燃ごみとして、近隣自治体と共同運営する焼却施設で、焼却処理をおこなっています。
古来からある普通に行われていた、ローテクともいえる微生物の力による発酵を利用した、ごみ処理施設の原型がここにありました。
脱臭設備はあるものの、この世に生まれてきたものが、土に返る時の懐かし匂いがしています。
『豊明市沓掛堆肥センター』 は、市民生活と伴にある施設なのです。
前日に訪問した、ハイテクの粋を結集したともいえる施設とは、明らかに対極にあります。
今回の研修を通して、誰もが納得をし受け入れるごみ処理方式とは一体何なのかを考えさせられた、決断を前にして、原点に思いを巡らせることのできた貴重な2日間でした。