香川県市議会議長会議員研修会が、1月29日(火) 「国家の品格」 の著者で、数学者・作家・お茶の水女子大学名誉教授の藤原正彦先生を、講師にお迎えして開かれました。
いつの頃になるのでしょうか。
270万部のベストセラーとなった 「国家の品格」 を、読んだことがありました。
細かいところは忘れましたが、歴史の見方や日本人の特性など、強烈な刺激を受けたことを憶えています。
私の、物事に対する考え方や捉え方の基礎に、まちがいなくなっていると思っています。
『日本のこれから、日本人のこれから』 の演題で、1時間半ほどの瞬く間の時間でした。
政治家は国民の言うことをきいてはいけない。
歴史を見ても国民の言うことをきくと戦争になる。
国民の声を聞くのではなく、国民のハラは何かを見極めなくてはならない。
そのためには、 “圧倒的な教養” を身につけていなければならない。
その上で、対極的観点と長期的視点で決断する。
いざとなったら命を懸けるのだ。
今の日本の退潮は、この国が真のエリートを失ったことによる。
経済が壊れたとしても、国が壊されてはいけない。
そうならないためには、教育によって母国語(日本語)をマスターし、論理的思考を身につけさせることだ。
資源のない島国日本は、 “人” しかない。
日本は普通の一番ではだめで、断トツでなければ生き残っていけない国だ。
日本は普通の国であってはならない。
異常な国であるべきだ。
それが 【日本の国柄】(くにがら) だ。
【日本の国柄】 は、 “情緒” と “かたち” からなっている。
“情緒” は、美しい自然の中で育まれた美的感受性からなるものだ。
文学・芸術・数学・物理など、世界中で一流のものを生み続けてきた。
日本の教育は、これらをもっと教えていくべきだ。
“かたち” は、慈愛・勇気・正義・惻隠・卑怯を憎む心、そして、公のために命を捨てる心などで表される。
特に、惻隠は21世紀のキーワードになるだろう。
すべての言葉に質量を感じる、期待を超えた講演でした。
政治に携わる者は、 “圧倒的な教養” を身に付けなければならないことは、 「国家の品格」 で遠い昔から知っていることでした。
いつまでも、厳しく思い言葉です。