前回の宮治勇輔さんの講演会より書き込みが遅くなりましたが、もう一つの講演会の報告をしたいと思います。
丸亀市の教育長である中野レイ子さんのお話を、1月20日(日)に開催された、香川県子ども会指導者・育成者研究大会で聞く機会をいただきました。
地方自治体の教育長は、元校長先生や教育行政機関関係者などの、学校教育の現場で長く実績を重ねてこられた方がなるものだと、勝手に思い込んでいましたが、中野教育長の経歴は異質です。
法務省所管矯正施設(少年院や鑑別所等)に36年勤務し、犯罪に関わった子どもたちの矯正と成長に向き合ってきました。
退職後、2012年(平成24年)から丸亀市教育委員会教育長に就任しています。
子どもが変わっていくためには、大人の私たちに何が求められるのかというお話でした。
少年院や鑑別所は、自分が今いるのは 「何で?」 を考えさせるところです。
罪を犯した子どもたちに共通したことは、 大人に対する 『不信感』 です。
それを、子どもたちに関わる大人たちが、自分の個性や癖、長所、短所の全人格を動員して、払拭させてあげなくてはなりなせん。
『不信感』 を拭い去ってあげられる大人とは、信頼される大人であり、少なくとも自身がそうなりたいと努力している大人であることです。
私は、子どもたちにもしここ(少年院や鑑別所等)にこなかったらどう思うか?など、これまでを振り返らせることで、本当の自分は何をしたかったのか、どんな生き方をしたかったのかを考えさせてきました。
その中で気付いた自分の気持ちを自分の言葉で表現できるようにしたいと関わってきました。
不信感の裏側には、 「自分なんて邪魔なんではないか」 という気持ちがあります。
自分の行動が人々に影響を与えることで、自分の存在に気付くことが人の成長へのスタートとなります。
一人ひとりの成長の度合いはまちまちです。
私たち大人は、子どもたちを信頼し正面から丁寧に向き合う信頼される大人になりましょう。
どんな方なのか、お話を聞きたかった人でした。
「子どもたちの健やかな成長を願って ~寄り添うやさしさと 立ち向かう強さと~」
の演題通りの、母性と父性を感じる信頼感のあるお話でした。