農業がかっこいい

まさに地方の時代であることを実感した日でした。
「成熟社会は、グローバルよりローカルだ!」
歯切れの良い若き農業者のお話を聞くことができました。
香川県西讃農業改良普及センターと三豊農業教育振興会が主催する 『三豊の農業を支えるリーダー研修会』 が、1月22日(火)に市民交流センターで “(株)みやじ豚代表取締役社長”であり“NPO法人農家のこせがれネットワーク代表理事CEO”でもある、宮治勇輔さん(35歳)を講師にお招きして開催されました。
笠田高校生が平成16年から取り組んできた 「放牧豚のすすめ 『乳酸菌で健康な豚づくり』」 の研究発表の後、宮治さんの 「一次産業を、かっこよくて 感動があって 稼げる 3K産業に」 の演題で講演が行われました。
湘南地域の小さな養豚農家の長男として生まれながら、家業を継ぐなどと思ったことのなかった宮治さんが、大学生の時に友人からかけられた 「宮治の豚はどこで買えるの?」 の言葉で、農業を継ごうと考え始めました。
すると、
1. 農業に価格決定権がない
2. 生産者の名前が消されて流通している
ことに気付いたのです。
それならば、生産から販売を農家が一貫してプロデュースしようと考えました。
「血統」 「えさ」 「育て方」 が味の違いの三要素です。
小規模農家であればこそできる、自分の強みと他との違いを自らが見極め、その思いを伝えることを始めました。
「血統」 「えさ」 は同じでも 「育て方」 によって味が変わります。
「育て方」 とは 「環境」 であり、その違いを訴えてきたのです。
その営業方法は、お客さんに 【みやじ豚】 まで来てもらい、みやじ豚バーベキューを味わってもらうことでした。
気に入ればネットで注文してもらうことで、ファンを獲得してきました。
流通システムとして、 『ドロップシッピングモデル』 を構築し、商品を持っていなくても自由に商品を販売できる仕組みをとっています。
その利点は、
1. 在庫を持つ必要がない
2. 売れたら売れた分だけ利益が積み上がる
ことで、流通に関わる誰もがそれぞれの役割をはたし、利益を享受できるというものです。
全国の元気な農家とそうでない農家との違いは、自分で販売しているかいないかの違いです。
味・ネーミング・希少性・物語・販売チャネルを確立し、 「農業がかっこいい」 と言わせましょう。
日本の農業をかっこよくするために、NPO農家のこせがれネットワークをつくりました。
農業で、地方から日本を元気にしようではありませんか。
農業ってこんなに可能性があって、かっこいいものだったのだと、聴衆の誰もが感じることができたと思います。
勇気とやる気が、若者と農業者の皆さんに生まれたことを確信できた、見事な内容でした。