三豊市民クラブの会派研修2件目は、 『特定非営利法人(NPO)大森コラボレーション』 が管理運営する、大田区区民活動支援施設大森 『こらぼ大森』 を訪問しました。
この施設は、閉校した小学校校舎と体育館、グラウンド等を利活用した、地域住民が協働のために自主的に活動する場となっています。
4階建ての施設は耐震化が施され、元校舎であることを活かし、各階、各室ごとに使用目的を分けて利用されています。
1階は、シルバー人材センターの授産所やボランティアグループの食事サービス調理室、軽食コーナーなどがあり、2階は、ここを管理する 『NPO法人大森コラボレーション』 の事務所があり、各種NPOの共同事務室、会議室、ミーティングルームなどで構成されています。
3・4階は、児童館と位置づけられ 『NPO法人おおもりこどもセンター』 が運営しています。
児童を対象とした学童保育クラブや乳幼児と保護者のつどいの場となる、子ども支援活動の拠点となっています。
また、ともすれば地域活動から置き去りにされる中高生の活動の場を確保し、施設の中で気兼ねなくバンド練習ができる音楽練習所を設けるなどしており、区民の幅広い活動に配慮した部屋割りとしています。
現在、 『コラボ大森』 は、太田区から指定管理委託を受けている 『NPO法人大森コラボレーション』 が管理運営しています。
これまでの経緯は、平成14年の大田区立大森第六小学校閉校にともない、区民主導の 『施設活用協議会』 が発足しました。
自治町会、民生委員、PTA、青少年育成、地域ボランティア、区民活動団体等を中心にしたメンバーによって、活用の話し合いが行われ、 「地域の自主運営という新しい形での施設づくり」 の提言書が、大田区長に提出されました。
これを受け、区によって区民意見や行政ニーズを踏まえた、 「基本的な考え方」 がまとめられました。
これによって、 『旧大森第六小学校施設運営準備協議会』 が発足し、9回に及ぶ協議によって 「協働のしくみによる新しい形の施設」 の運営組織の立ち上がりが決定されました。
この中には、こども、高齢者、障害者、地域利用施設、区民活動支援施設の5つの部会が設けられました。
この内、こども作業部会が、子ども交流センターを担当する 『NPO法人おおもりこどもセンター』 を設立し、3・4階で活動しており、視察に訪れた午前中には、乳幼児を連れた保護者がたくさん参加しており、地域に欠くことのできない施設になっていることを見ることができました。
平成18年から、 『NPO法人大森コラボレーション』 が大田区より 『こらぼ大森』 の管理を受託し、現在に至っています。
公共施設の統廃合によって発生する遊休施設の、協働による有効利活用は、NHKテレビの 「ご近所の底力」 にも取り上げられるなど、成功事例として採り上げられています。
「学校は地域の財産・宝」 を現実のものとした、住民ニーズに対する目的ごとの施設利用の実践を目の当たりにできた研修でした。