10月12日午後、千葉県鴨川市議会の文教厚生常任委員会の委員の皆さんが視察研修にいらっしゃいました。
目的は、三豊市立西香川病院の「病院で行うユニットケア」についての調査研究でした。
鴨川市は千葉県の南東部に位置し、房総半島の先に近く太平洋に面した、人口36500人ほどの風光明媚な自然環境に恵まれた地域です。
その反面(といいましょうか、おかげといいましょうか)、私たちの住む三豊市同様に高齢化率が非常に高い状況となっています。三豊市が28パーセントを越えていますが、鴨川市は30パーセントを越えているとのことです。
この現状の中、高齢者の医療と介護(特に認知症)に対する様々な切り口の取り組みが求められており、認知症デイケア(医療保険)であるユニットケアに、一つのモデルを求めている様でした。
三豊市立西香川病院の概要として、
開設者 三豊市長 横山忠始
管理者 病院長 仁井昌彦(社団法人三豊・観音寺市医師会)
管理運営 指定管理者(社団法人三豊・観音寺市医師会)による公設民営方式
診療などの内容は、
(1)入院
病床数150床:認知症治療病床(精神科病床)50床
:医療型療養病床(医療保険病床)40床
:介護療養型病床(介護保険病床)60床
(2)認知症デイケア(医療保険)・・・ユニットケア
施設名を通称「グードリブ」といい、
介護保険の通所デイサービスとは異なり、医療保険による認知症の通所デイケアの位置づけとなる。
10名ほどを1ユニットとしてケアするためにユニットケアと称されている。
定員50名に対し1日平均48.5名の患者数実績となっている。
重度の認知症患者の通所のグループホームの様でもある。
(3)介護保険関係(介護保険病床以外)
*訪問看護ステーション
*居宅介護支援事業所 がある。
職員数は、三豊・観音寺市医師会の職員であり、常勤と非常勤あわせ167名である。
年間売り上げが12億円ほどで、人件費は6億円あまりであり人件費率は53パーセントである。
ちなみに、同じ三豊市立病院である永康病院は、売り上げ17億円ほどに対し人件費率が60パーセントを越えており、西香川病院に見る公設民営されることによる人件費の抑制が図れていることが判ります。
市民の健康と地域医療と介護を担うとことに対する理念と責任は決して変わるものではありませんが、公立病院に求められる地域におけるニーズは、時代とともに変化してゆくと思います。その中で地域に必要とされる市立病院としていかにして継続安定経営してゆくのかが求められていることを、他市からの市議会視察研修で、受け入れ側の私が研修させていただきました。
“鴨川市議会の視察研修” への2件の返信
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「他市からの研修視察で、受け入れ側の私が研修させていただいた」というのは、すばらしいことだ思いました。ただこのご報告からは、どのようなことが他市における病院経営から学ぶことができたのか、私たち市民からはよく分かりません。
永康病院と西香川病院との比較については、民営化によって効率的な運営が実現されていることが明解にご報告いただいているのですが、最後の1行の内容が理解できないでいます。
医療や教育は採算が合わないからといって、コストだけでは切り捨てることはできないと考えています。
だからこそ、その時代に即した経営形態が求められると思っています。
その一つが公設民営の考え方であって、指定管理者制度は運営方法の一つです。
三豊市にとっての市立病院の有り方と民間病院との関係においた必要性の有無までも考慮した取り組みがいると思っています。
たくま まさし
行政改革の本丸、えいこう病院の公設民営ですよね。これすら実行できないのであれば、行革は掛け声のみにおわるでしよう。10年ひと昔の話。
はい!その通りです。
地域医療のニーズの中で、市立病院の担うべき役割が今、どこにあるのかが先ず一番です。民間の病院にできることが公立病院にできない分けは、人の意識と人件費に有ります。
2つある市立病院の中で、負担が大きいのは永康病院です。やらなくてはならないことは判っているつもりです。
だったらどうするのだ!と言うことですね。
たくま まさし