順番からすれば、今年度の小学校の卒業式は比地大小学校でしたが、都合によってわが母校の桑山小学校にお伺いすることとなりました。
みんな三豊市の子どもたちです。
精一杯、思いを込めて、お祝いの言葉をお伝えしました。
お祝いの言葉
19名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんは、6年前に満開の桜の中を桑山小学校に入学し、夏の暑さにも負けず冬の寒さにも怯まず、先生方の指導の下、勉強に運動にと励んできました。
入学当時は、ランドセルが歩いていると思えるほどに小さかった体はこんなに大きくなり、心も体も立派に成長されました。
これからは、桑山小学校で学んだことを礎にして、在校生の模範となる中学生になってください。
保護者の皆さん、お子様のご卒業おめでとうございます。
心よりお喜び申し上げます。
一つお話したいことがあります。
卒業生の皆さんも、在校生の皆さんも、一緒に聞いてくださいね。
畠山重篤(はたけやましげあつ)さんという人を知っていますか?
東日本大震災で被害にあった宮城県気仙沼市で、牡蠣養殖をしている漁師さんです。
畠山さんは昨年、国連が毎年世界で5人だけしか認定しない 『フォレスト ヒーローズ』 に選ばれました。
フォレストとは森林のことですから、漁師さんがなぜこの賞をいただけたのか不思議ですね。
畠山さんの考えは、実に面白い。
牡蠣は海の中にいるだけでは大きく成長しません。
海水の中に住むプランクトンを食べて大きくなるのです。
牡蠣を成長させるには、豊富なプランクトンが必要なのです。
プランクトンは鉄分を食べて繁殖します。
それでは、鉄分はどこから来るのでしょうか?
それが、山(森林)なのです。
海で育つ牡蠣に成長してもらうためには、山に育つナラやブナの、落葉樹からできる腐葉土を透した雨水と一緒に流れ出す鉄分豊富な水が、川を通って海に流れ込まなくてはならないのです。
牡蠣は、山の 「森」 に育てられるということです。
このことに気付いた畠山さんは、 【森は海の恋人】 をキャッチフレーズにして、森林の保全活動に20年以上取り組んできたのでした。
塩水につかっているだけでは成長するわけがないことは、誰もが知っていることでしょう。
気がつけば、当たり前のことですよね。
教育や人を育てるということは、このようなことなのではないのかと、私は感じています。
「結果を急げば、誰も木を植えようとは思わない」
畠山さんの言葉です。
保護者の皆さんには、辛抱強く、我慢強く、粘り強く、お子様を見守り支えていただきたいと思います。
終わりになりますが、先生方に感謝するとともに、地域代表の皆さんのお力添えに敬意を表し、皆様方の御健康とご多幸、卒業生19名の皆さんにすばらしい未来が開かれますことを願い、お祝いの言葉といたします。
卒業生の皆さん、豊中中学校入学式で会えることを楽しみにしています。