総務教育常任委員会視察研修・2

総務教育常任委員会視察研修で、真庭市の次に訪問したのが岡山県美作市(みまさかし)です。
女子ワールドカップで世界一になった、なでしこジャパンのメンバーに、美作市をホームとする 『岡山湯郷Belle』 に所属する2人の選手がいます。
ミッドフィルダーの宮間選手とゴールキーパーの福元選手です。
美作市は岡山県の東の端に位置し、兵庫県に接した中国山地にある面積429.19k㎡、人口30,000人程の、湯郷温泉で名を聞く山間のまちです。
三豊市よりも人口が少なく、面積は2倍近くと広いものの山ばかりのこの地方のまちに、なぜ、時代の先端を行く女性たちが出現したのだろうか。
最大の謎でした。
昭和』63年(1988)、瀬戸大橋架橋記念事業の一環として、県民スポーツの振興と地域振興を図る目的のために、芝3面・人工芝1面・クレー1面のラグビー・サッカー場が建設されました。
その後、これからは女子サッカーが面白いとの情報を得た市長(当時の町長)が、女子サッカーチームの誘致育成を決断しました。
欧米では普通にある、市民が主体で運営するクラブチームをつくろうとしました。
旧美作町で、2001年(平成13年)行政がリーダーシップをとり、全国でもユニークな官民一体の支援を後ろ盾に、女子サッカークラブ 『岡山湯郷Belle』 が誕生しました。
女子サッカークラブ創設は、 「スポーツといで湯のまち」 を復活させるだけでなく、 「青少年の健全育成」 や 「男女共同参画社会の実現」 といった目的が込められています。
女子サッカー誘致のきっかけと、これまでの主な活動はこのようなものがあります。
1991に、アジアカップ女子サッカー選手権大海 日本代表事前キャンプ
2008に、U-20ワールドカップ2008 日本代表事前キャンプ
2009に、北京オリンピックなでしこジャパン事前キャンプ
2011に、ロンドンオリンピック2012女子サッカー なでしこジャパンアジア予選事前キャンプ
ラグビー・サッカー場は県の施設で、市が県から指定管理を受けています。
大規模工事は岡山県が、小規模工事は市が行います。
大きな改修として人工芝の張替えがあり、1億円以上の費用がかかるとのことで、現在、県に要望を出しています。
クラブ運営に必要な資金や選手の雇用は、
2001年には、スポンサー企業が1社のみだったのが、2011年には108社まで増加しています。
選手の雇用は、温泉宿泊事業者や病院、スーパー、スポーツ店、市の嘱託職員などで、午後3時までの勤務で、4時からの練習時間確保ができるなど、地域全体での受け入れと対応が行われています。
遠征などの費用は、年間5千万円ほどかかっており、市の助成は1千2百万円ほどで、他一部は県の補助があるものの、多くは地元支援によって支えられています。
三豊市には、緑ヶ丘運動公園というサッカーの公式試合のできる施設があり、本年度より、四国学院大学へ指定管理委託を行っています。
四国学院から経営支援を受けた香川西高校の、サッカー部のメイン練習場にもなっています。
指定管理委託問題が議論されていたとき、女子サッカーの誘致育成も構想の一つにありました。
女子サッカーの可能性は、日本女子サッカーが世界一となる一年前から考えられていたことでした。
宝山湖多目的広場が概ね整備ができたこともあわせ、美作市に20年以上遅れての取り組みにはなりますが、地域の施設資源を活かしたスポーツによる活性化を推進していくべきだと感じました。