「宮山窯跡」 窯本体発見される

三豊市内に点在する古代窯跡の一つに 「宮山窯跡」 があります。
豊中町比地大地区・熊岡八幡神社のある、小高い山の斜面に位置しています。
「宮山窯跡」 の調査の経緯は、1981年に畑地整備工事で須恵器と灰原が確認されましたが、窯本体は発見されておらず、その後、農道工事に関連して2度の調査が行われました。
その事業を最後に、14年ぶりに昨年夏、発掘作業が行われましたが、窯本体の発見までは至っていませんでした。
そのときの状況は、2010年6月23日付けのこの場をご確認ください。
本年も酷暑の中、引き続いて発掘確認調査が行われており、その現地調査説明会が8月28日(日)行われました。
ついに窯本体が発見され、見事な成果を見ることができました。
山の傾斜を利用し、穴をくりぬいて造られた 『穴窯』 の原型であり、煙出部がほぼ垂直に立ち上がっていることが確認でき、非常に残りが良いことがわかります。
「宮山窯跡」 は、5世紀古墳時代の “初期須恵器” の窯跡で、香川県内で高松市と三豊市の2箇所しか確認されておらず、大変貴重な遺跡となります。
三豊市には、7世紀白鳳時代の 「宗吉瓦窯跡」 のほか、多くの窯跡が発見されていますが、その中においても最古であることから、この地域の窯文化と歴史を紐解く上で、重要な位置づけになるようです。
今後、さらに研究が進み、来年度も引き続いての発掘調査を行っていけるようにしなければと、考えています。
異常な暑さの中、発掘調査に携わった皆さん本当にご苦労様でした。