三豊市議会会派清風会 視察研修報告・2

2件目の視察研修先である長野県の(株)Growth Seeding Bloom は、代表取締役 松葉陽祐氏が農業DXを駆使して栽培から販売までを一人で運営する農業事業者です。当法人を視察先に選んだのは、先端技術をどのように利用して事業継続しているのか、本人の体温を感じながら農業に対する考え方と、その手法を自らの耳目で体感したかったからです。

 

経営理念は「誰もがみんな安心して Happyと笑顔になれる未来を創る!」で、そのためのビジョンは「農で『幸創・こうさく』する。」としている。事業内容は、◯小麦栽培 ◯大豆栽培 ◯さつまいも栽培 ◯シャインマスカット栽培 ◯水稲栽培 ◯農産物直売、加工販売 に取り組んでいる。現在の主力作物は「ハナチカラ」という硬質小麦で、全17ha作付けし反当たり収穫は430Kgの実績がある。今後もっと増収するための栽培方法を研究中である。

東京出身のサラーリーマンで農業経験のない松葉氏がなぜ所縁のないこの地に移住してまで農業をしたかったのか。一定の成功を収めていたサラリーマン生活であったが「とにかく社長になりたい」と思いが強くなる中、雇用、過疎、遊休農地、住環境等の地域課題(こまりごと)の解決に取り組むという目的が明確になってきたからだ。

松葉氏は農作物の栽培から販売までを一人で行っている。大規模栽培することでJAの先の卸業者と直接取引できるようになった。農業機器等の導入は、国の担い手補助金を活用した。先般、長野県名物の おやき の会社をM&Aした。原料作物と最終商品の製造に着手し、経営の安定を目指している。

先端技術をフル活用するとともに地域の5つの福祉事業所と連携することで、事業展開の可能性が広がった。福祉事業所からは、販売方法等で助言があったり多様な作業に対して、施設利用者の適性を引き出してくれたりする支援員の力は経営に大いに貢献している。

最後に、行政に言いたいことは「新規就農者」の本気度の見極めをしっかりしてほしいことだ。助成金があるから安易に制度を利用されると、まじめな就農者にまで風評被害が及んでしまうからだ。もう一つは、食に対する消費者教育を推進してほしいということだ。正直な農業者が評価されるようにならないと、日本の安全・安心な農業と食は心もとない。

今後の目標は、農家を守るために販売を強力に展開していくことだ。自分で値段をつけ、お客さんに商品の良さを直接伝えることができることによって、農業の活力が持続できるからだ。

 

まさに今、私が実践しているモリンガ栽培と商品化によるエンドユーザーの声を聞く経営に、確信を得ることができました。「少子・高齢社会」「健康」「環境」が現代を象徴するキーワードだと思います。日本の地方ができる課題解決は、耕作放棄地対策を根幹業務として、農業をいかに活性化することより他ないと考えています。「やって見せねば人は動かない」どこかで聞いた言葉ですが、それをだれがやるのか?私がやります!

 

以上で2件目の報告を終わります。