2か所目の訪問先である新潟県上越市では、「上越市の防災の取り組み」について、危機管理課他から説明をいただきました。
「『令和6年能登半島地震』における上越市の対応状況等について」
今回の能登半島地震は、日本海調査検討会(2014)による波源断層モデルにおける能登地域のF43が動いた。当市には30分位で津波が来ると予測されていたため、速やかにその対応を行った。午後4:35頃に第1波が関川を遡上。市内で確認した河川の津波遡上は、関川から約5㎞、関川の支流の保倉川で約1.6㎞まで確認された。関川河口における津波の高さは3.2mで、遡上高は船見公園の5.8mが記録された。
津波ハザードマップでは、避難支持の発令は津波発生時は市が避難指示を発令する時間的猶予がないため、『大津波警報・津波警報・津波注意報』をもって、市からの避難指示の発令としている。
市の情報発信は、防災行政無線や防災ラジオ、安全メール、市公式SNS、市HP及び報道機関を通じた周知など、様々な手段を用いている。今回の興味深い発信の手法として、発災日である1日には3回防災行政無線によって、市職員の肉声で津波からの避難と火災防止を周知した。人の声での発信は効果的であった。
津波からの避難の基本的な考え方として 【浸水想定区域内:直ちに指定緊急避難場所などの高台へ避難】 【浸水想定区域外:安全な建物の中にいれば、原則、避難しなくてよい 自力での避難が難しい人については、屋外に出ることで余震や交通事故などの二次災害のリスクが高まるため、自宅等に留まることを推奨】
能登半島地震連絡調整会議における有識者からの提言として、これまで自動車での避難を否定していたが、自動車での避難方法を詳細に検討する段階にきていることに対して、市の方針は「原則、徒歩による避難」とするが、「避難行動要支援者等に限定した自動車による避難」を選択肢の一つとした。
次に、生活環境課から能登半島地震による、一般家庭から発生した災害廃棄物の処理について説明があった。災害廃棄物処理計画に基づき迅速な対応を行う必要もあり、一時的に市民から受け入れた災害廃棄物を集積する仮設置き場を、上越市クリーンセンター(市の燃やせるごみ焼却施設)敷地内に設置した。1月5日~5月2日まで開設した。この期間中は、処理手数料は減免とした。現在、災害廃棄物は、順次排出作業をおこなっている。
上越市では、津波被害想定区域のデータ情報の制度が格段に向上していることから、市民一人一人の生活・住環境を考慮することで、最良な避難手段を導きだそうとしています。これも、能登半島地震の経験と体感から生まれた示唆なのだと思います。この生きた学びを、三豊市の防災に活かしていかなくてはならないと再認識した研修でした。