視察研修報告3日目、最後の報告は千葉県いすみ市での「廃校跡地の利活用」についてです。
いすみ市は平成17年に夷隅町と他2町の3町合併により誕生した。現在人口43,000人余、面積157.50㎢で、太平洋に面する千葉県の南東部に位置している。内陸部では米や野菜の生産、畜産などが営まれており、また、親潮と黒潮が交わる良好な漁場があり、豊富な海の幸にも恵まれている。
「廃校跡地の利活用」の取り組みは、市HPによる空き公共施設情報の発信に加えて、国・県と連携し効果的なPRを実施してきた。文部科学省の【~未来につなごう~「みんなの廃校」プロジェクト】や千葉県の県HPの空き公共施設等活用可能施設一覧を活用するなど、企業誘致活動が進められた。また、県主催のイベント等において、市場ニーズの把握や参加企業への積極的なアプローチによる、利活用を検討する企業とのマッチング機会を創出した。千葉県商工労働部企業立地課が主催する『空き公共施設活用セミナー』で可能性を見極め、公募型プロポーザル方式による企業提案の募集を実施した。
企業への支援制度は ●立地奨励金 ●雇用促進奨励金 ●半島振興法に基づく固定資産税の不均一課税 ●過疎法に基づく固定資産税の課税免除 がある。
空き公共施設への企業進出実績は ①旧サンライズガーデンへ地域の仕事拠点となるコワーキングコミュニティの運営事業:年間賃料 111万円余 ②旧学校給食センターに食品会社のレトルト食品の製造拠点:売却額 7,900万円余 ③旧中川小学校へ液晶モニター関連製品の開発やカ亞タマーサポート、商品受注拠点:売却額 2,244万円
これからの案件として、旧千町(ちまち)小学校があり、利活用アイデアの募集中である。
いすみ市は、これまでに地道な移住政策に取り組んできたことで、市のイメージ向上につながっており、企業進出に大きくプラスになったとのことです。たゆまぬシティプロモーションの必要性を再認識するとともに、多様な誘致施策の展開が求められることも気づくことのできた研修でした。
以上で、会派視察研修報告を終わります。