卒業式や修了式の季節です。
毎回の事ながら、せっかくのこの機会に新たな旅立ちをする子どもたちに、私たちの思いを託したいといつも思って臨んでいます。
今年はなんと言っても、東北関東大地震のことです。
発生以来、全ての放送局がテレビコマーシャルもせず報道する画像で感じるのは、こんな事が現実に起きていいのだろうか、という未だにつきまとう信じがたい疑念と、日常の何の変哲のない普通の日々を迎えることのできる、我が身の有り難さと何という幸せなのだろうかという思いです。
地震による津波で被災した東北関東地方の皆さんにも、当たり前のように卒業式や修了式は予定されていたはずです。
ところが、一瞬にしてこれまでの当たり前のことで当たり前にあった日常が途切れたのです。
私たちが今、当たり前のように生活できることは、何ものにも代え難い有り難いことであり幸せなことなのだということです。
途切れることのない日々の積み重ねの大切さと、当たり前のことが当たり前にできる事への感謝の念を忘れて欲しくないのです。
突然訪れたような、あっと驚く大発見も、文明を変えるような大発見であっても、自らができる当たり前の日々をこつこつと積み重ねてきた者たちにのみ訪れる、僥倖なのだと言うことを。
当たり前のことを当たり前にできることの、有り難さと幸せに気づく者の持つ力を信じて欲しいのです。