三豊市議会公共施設再配置特別委員会の視察研修に、令和4年(2022)11月7日(月)~9日(水)の3日間参加しました。視察研修先は、1日目に滋賀県高島市、2日目に静岡県焼津市、3日目に埼玉県深谷市の3市です。
高島市は、平成17年に5町1村の合併により誕生した。現在人口は約47,000人で、面積は滋賀県で最も広い693.05㎢(琵琶湖面積181.64㎢含)だ。
『公共施設再編の取り組みについて』高島市総務部行財政管理局行政管理課の上原課長と鈴木氏から説明をいただいた。
合併により同種・同機能の公共施設を有することとなった。そこで平成26年に高島市公共施設等総合管理計画を策定した。計画の趣旨は、旧6町村から引き継いだ各施設が、全国の人口規模類似団体や県内他市平均と比較して大変多い状況となっている実状と、人口減少や少子高齢化、地方交付税・市税の減少、扶助費等の義務的経費の増大が決定的状況にあり●施設の効率的かつ効果的な維持修繕 ●保有する公共施設等の総量の最適化 等が必須であることから策定することだ。
計画期間と削減計画は、平成27年度から令和26年度までの30年間で延べ床面積を半分にする計画で、令和6年度までに10%、令和16年度までに20%、令和26年度までに20%とし、50%の段階的計画をたてている。第1段階目標である令和6年10%削減目標は、現時点で5%強程で合併特例債期限が迫る中、旧町村とのバランスに苦慮している現状だ。
公共施設等のマネージメント推進の基本方針は ①次世代の継承可能な施設保有(施設保有量の縮減) ②将来にわたり必要な施設の計画的な維持更新(長寿命化の推進)として、 公共建築物(ハコモノ): ●新規整備は原則として行わない ●施設の更新(建て替え)は複合施設とする ●施設総量(延べ床面積)を縮減する インフラ資産: ●ライフサイクルコストの縮減に努める こととした。
この方針に基づき、各施設ごとの再編の方向性等を示した「高島市公共施設再編計画」を、平成27年に一般財団法人地方自治研究機構と共同で策定した。また、インフラ資産は将来負担コストの低減と財政負担の平準化を図るため、順次種別ごとに長寿命化計画を策定している。
個別計画における再編パターンの考え方には ①公共施設の譲渡・廃止 ②公共施設の多機能化(集約化・複合化) ③用途を変更し存続する公共施設(転用) ④維持する公共施設 があり、副市長をトップとして市行財政改革推進本部(計画構築・推進管理)がマネージメント機関となっている。
公共施設再編の推進は、市民アンケートによると総論賛成だが各論反対は根強いため、総論の理解を得ながら各論を進めなくてはならない。そのために、受益者だけでなく負担者の意見を聞く必要があり、【子どもや孫の世代につけを回さない】ことに尽きる。
職員一人ひとりがどうすればよいかを考えねばならないため、そのための人材育成が求められる。今後とも職員一丸となって取り組んでいく。
高島市のおかれた現状は、三豊市を鏡に映したような実態であり、合意形成の厳しさや痛みを突き付けられました。取り組みの中に二元代表制における機関としての議会の関りが薄いように感じたことで、三豊市議会としての機関組織としての取り組みの重要さを再認識した研修でした。