本年度1年間、三豊市議会広報誌の編集作業を行ってきた広報委員会7名で、来年度に向けての議会広報のあり方を研究するための視察研修に、2月7日(月)と8日(火)の2日間行って来ました。
今回訪問したのは、広島県庄原市議会と、同じく安芸高田市議会の2か所で、研修の目的は 「議会改革における広報広聴活動」 についてです。
1日目に訪問した庄原市は、広島県の北東部の中国山地にあり、県境を超えれば日本海にも近い位置にあります。
平成17年に1市6町が合併し、人口約40,000人、面積1,250平方㎞ほどを有し、現在、関西以西では面積が最大の自治体となっています。
「議会改革における広報広聴活動の充実」 への取り組みは、平成21年6月16日に議長より議会運営委員会へ、議会の活性化について諮問されたことに始まります。
諮問事項は、 『成長する議会』 の号令により3点の活動について示されました。
1.議会活動のあり方 (議会基本条例の制定、採決方法、行政視察、議員報酬、費用弁償 など)
2.議員の資質向上のための方策 (研修会、政務調査費 など)
3.市民と歩む議会とするための方策 (模擬議会、議会懇談会 など)
これらの示された項目に対し、既に実施している事項は、“一問一答方式の採用” “押しボタン式採決の採用” “費用弁償支給の改善” “図書室の充実” “議員研修の実施” “議会映像の貸し出し” があります。
これらの他で検討する事項を定めました。
“議会報告会” “議会議決事項の追加” “政治倫理の確立” “事務局の体制整備” “本義会における質疑・討論の活発化” “行政視察” “議員報酬” “政務調査費” “模擬義会” “議会懇談会” などです。
これまでの活動に対する内容の中で、特に興味深い点について報告します。
【議会活動のあり方について】
平成21年の議長の諮問から2年近くの間、様々な議論と検討がされています。
・ 議会基本条例は、現在、パブリックコメント実施が終了し、3月定例会で制定される方向になっています。
・ 採決方法は、議場内における押しボタン式票決結果の、個別賛否表示を開始しています。
・ 費用弁償は、全議員を対象として距離当たり37円を支給するが、片道2㎞未満は支給しないことし、条例の一部改正をしています。
【議員の資質向上のための方策について】
・ 研修会は、政務調査費の制度がないため、講師を招いての研修会を行っています。
・ 政務調査費は、広島県内でもこの制度の無いのは当市と江田島市のみであり、議員報酬とあわせて検討中です。
【市民と歩む議会とするための方策について】
・ 模擬議会は、実施形態等の検討中です。
・ 議会懇談会は、平成21年度の内容や実施の検討を始まりとして、22年度に実施し、その報告を市民の代表に行っています。
・ 傍聴者アンケートは、定例会中にアンケートを実施し、アンケート集計結果を配布しています。
その他、議会改革の実績として、議員定数を33から25へ減らし、各常任委員会及び議会運営委員会の任期を1年から2年へ変更などを実現してきました。
また、以前は1年以上かかっていた本義会録公開を早くするために、平成21年に音声認識による会議録作成支援システム導入で、外注することなく議会事務局による自前での会議録作成を行っています。
導入経費は約800万円で、運用保守経費は5年間で350万円となっています。
さらに、議会中継システムも充実しており、イントラネットやホームページへの掲載も、議会広報委員会の決定によって積極的に行っています。
議会改革を市民の皆さんにお伝えする役割の議会広報の活動そのものが、議会改革なのだと確信した研修でした。