国は、1月24日の 子ども・子育て新システム検討会議 で、2013年度(平成25年度)から実施を目指す幼稚園と保育所の一体化についての案を公表しました。
幼稚園を存続して、保育所は0歳~2歳の専用施設として、幼・保の機能を持った子供園を新たにつくるというものです。
0歳~5歳を対象とした教育・保育の、文部科学省の幼稚園と厚生労働省の保育所の二重行政や、待機児童解消となるとまではいえないようです。
こんな折り、1月25日(火)に三豊市議会の同僚議員数名と一緒に、善通寺市にある民間保育所 【カナン子育てプラザ21】 を訪問してきました。
善通寺市には、公営4・民間3・無認可1の保育所と、公営8・民間1の幼稚園があります。
【カナン子育てプラザ21】 は、高松市に本部を置く 「社会福祉法人 カナン福祉センター」 が経営する、市から多くの保育メニューの委託を受けた民営保育所です。
事業開始は2001年で、市が4億7,000万円を投じて新築した 「子育てプラザ21」 の管理運営委託事業者公募によって事業委託を受けたことに始まります。
初年度の1年間は公設民営として、次年度以降は市から建物の無償譲渡と土地の無償貸与を受けた、完全な民営となって10年の実績を重ねてきました。
善通寺市からの委託事業メニューは7つあります。
1.一般保育(0歳~就学前まで)
2.延長保育 夜22時までの保育
3.病児保育(障害児も対象)
4.地域子育て支援拠点事業
5.一時保育
6.子育てホームヘルパー事業
7.休日保育
となっています。
現在の定員は、市の方針で低年齢児受け入れを主としたため110名に変更し、
0歳 15名
1歳 24名
2歳 24名
3歳 29名
4歳 8名
5歳 8名
計108名となっています。
職員数は36名(内パート9名)で、業務にあたっています。
説明をしてくださった川口理事長と橋本園長先生の、10年前の公募に際してのお話や資料から、保育に対する並々ならない情熱を感じました。
当時の 『子育てプラザ21運営計画の趣旨(申し込みの動機)』 には、
「国政は、高齢化社会に目が向き制度に走りすぎた間があるのではないか・・・」
「人として市民として、大切なものをどこかに置き忘れてきたと痛感する・・・」
と指摘し、これからは
「かつて追いつけ追い越せの時代 『世界は2人のために』 の流行歌が大ヒットしましたが、これからはまったく逆の座視が求められる、柔軟な発想の時代に突入しております。」
として、
「一市民となって、貴市の福祉、乳幼児保育向上のためお役に立ちたい、理想の保育環境の基で一人一人の乳幼児にとって一番良い保育を行わせていただきたいとの思いが、私たちの法人の理念であり運営の方針でもありまして、・・・」
と記されています。
ふと思ったのですが、確かな理念を持った民間事業者が、地域の子どもを責任を持って預かり、保育することは、もしかすると地域で子どもを育てると言えるのではないかと・・・
さらに、雇用の面からも、保育師さんは皆正社員となれるし、公営保育所につきものの正職員や臨時職員間の格差もなくなり、職場環境の改善が図れるのではないかと・・・
確かな理念と怠りない日々の積み重ねがあれば、 「公営か、民営か」なんかの議論はどうでもよいとさえ思える、民間経営保育所 【カナン子育てプラザ21】 でした。