常任委員会視察研修報告パート1

8月1日(火)~3日(木)の三日間、大分県日田市と熊本県水俣市で、教育民生常任委員会の委員会視察研修を実施しました。今日はパート1として、大分県日田市(バイオマス資源化センター)「バイオマス構想」についての報告をします。
大分県日田市は、メタン醗酵発電施設の現地研修で、当地より議会事務局の長嶋次長と市民部の山手主任の出席をいただき、事業の説明解説と質疑応答ならびに施設見学を行った。
日田市は、人口74.000人、面積666k平方m、8割を林野部が占め、そのため家畜排泄物や木質バイオマスなど、質・量ともに豊富なバイオマス資源があるため、これらの総合的な利活用を図るために、「日田市バイオマスタウン構想」が立てられ、メタン醗酵発電プラントと木質バイオ発電プラントが計画された。
今回視察した「日田市バイオマス資源化センター」は、家畜排泄物を中心とした、生ゴミと豚糞尿・農集排汚泥の資源化施設であり、メタン醗酵発電プラントである。
施設名称:日田市バイオマス資源化センター
事業主体:日田市
運営主体:日田市
処理方式:中温湿式メタン醗酵
主な処理物:生ゴミ24t、豚糞尿50t、農集排汚泥6t
処理能力:80t/日
発電能力:340kW
敷地面積:15.452平方m
竣工:平成18年3月
総事業費:950.000千円
財源:国50%、県5%、その他合併特例債等
職員等数:市職員3名、運転管理委託先作業員3名
年間管理費:約50.000千円
「日田市バイオマス資源化センター」の整備は、次の三つを目的として計画された。 1)地球温暖化及び化石資源枯渇問題 2)ゴミ焼却問題 3)畜産環境問題 である。
1)は、新エネルギーの導入と市民啓発である。地球規模の自然環境保全とエネルギー問題に対する意識の向上を促すための象徴的施設としている。
2)は、ゴミ処理コストの削減と環境問題である。集められたゴミの3分の2以上が焼却されているが、焼却場の維持管理費(年/340.000千円)の低減と、炉及び埋め立て処分場の延命のため。それと、焼却処理による地球温暖化やダイオキシンの発生の問題を考えたためである。
日田市における家庭系可燃ごみ(約28.000t)の中で、生ゴミは53%を占めている。これに着目し生ゴミの削減と資源化を事業化したのである。生ゴミを電気と堆肥・液肥に再資源化することで、可燃ごみは半分以下となり、なおかつ、廃プラを石炭代替エネルギー(RPF)に固形燃料化することにより、最小限の焼却処理量(7トン/日)に削減する。生ゴミと他可燃ごみの分別は、市民の高い環境問題意識なくしては成立しない。
3)は、家畜排泄物法の施行の影響が大きい。日田市の農業算出額は130億円で、その半分が畜産業である。平成11年の家畜排泄物法の施行に伴い、糞尿の適正処理のために堆肥センターが建設されたが、香気醗酵は臭いため、メタン醗酵資源化施設の必要性が強く求められてきた。
当施設は、本年4月1日の稼動であるために効果の検証はこれからである。しかしながら、あらゆる種類の家庭ごみの中でも、いまだに有効な再資源化と低減の方策が見えていないのが生ゴミであった。可燃ごみとされていた生ゴミを再資源化することで、三豊観音寺クリーンセンターの焼却量が低減され、また、新設計画中の新クリーンセンターが100億円であるとの比較において、10億円の投資ならば、三豊市のゴミ政策のビジョンが描けるとの思いを強くした。
次回は、熊本県水俣市(芦北地域振興局 水俣保健所)における、「子どもの食育ネットワーク事業」についての報告します。