会派「清風会」行政視察研修 報告(令和2年)・3

三豊市議会会派「清風会」の行政視察研修報告の最後は、18日に訪問した広島県庄原市役所における「学校統廃合について」です。

庄原市は、平成17年に1市6町が合併し誕生した。それにより、面積は1,250㎢で香川県の3分の2に相当する広さで、人口43,000人の市となった。現市域で過去最多の81,000人から減少の一途をたどり、合併から15年を経過した現在人口は35,000人を切っている。児童生徒数も、平成17年に3,100人余であったものが令和2年には2,300人足らずとなり、令和元年度に生まれた子どもたちが小学1年生になる令和8年の予測は、2,000人を切る見込みとなっている。庄原市にとって教育施設の集約は、最重要課題となっている。
庄原市教育委員会牧原教育長から説明をいただいた。

庄原市には、現在19の小学校と7の中学校がある。学校規模は小学校と中学校いづれも標準校は1校で、そのほかは小規模校(内1~5学級が半数以上)だ。令和8年度を目標に、小学校を9校に、中学校を4校に再配置する計画だ。
【適正規模・配置の基本的考え方】  (1)適正規模について、小・中学校とも1学級あたりの児童数は20人以上で、1学年の学級数は2学級以上が望ましい、なお、本市の実情を考慮する場合、1学年1学級でもやむを得ないとする。 (2)適正配置について、小学校は旧市町の区域内で再編をし、単式学級編成につながるよう配慮する。中学校は、適正規模を確保するため、旧市町の区域を越えた学校の再編を行う。
【学校適正配置に関する留意事項】  (1)保護者・地域住民との協議 (2)児童・生徒の環境への対応 (3)学校指定用品等 (4)廃校施設・跡地の利用 (5)計画の見直し ①国県の制度や基準が変わった場合 ②宅地等の増加で児童生徒の増加が見込まれる場合 ③小学校で児童数の減少で旧市町の区域を越えて検討する必要がある場合 

小・中学校すべてを3つのグループに分け、令和8年の再配置完了に向け順次説明会と準備を進めている。まだ1校区の合意が得られていないが、誠意をもって協議を進めているところだ。

庄原市では、市教育委員会との話し合いすら拒否する自治振興区があります。子どもたちの教育のあり方と人口減少に向き合う方法は一様ではなく、それぞれの地域が抱える多様性を未来への合意に昇華する、人と人との信頼をいかに培っていくのかに尽きると感じた、重たい研修でした。

以上で、会派「清風会」行政視察研修報告(令和2年)を終わります。