「ごみ処理問題調査特別委員会」視察研修・1

9月4日(月)から6日(水)の3日間、三豊市議会「ごみ処理問題調査特別委員会」の視察研修で、滋賀県、新潟県、石川県にあるごみ処理施設を訪問してきました。
一日目の研修先である 湖東広域衛生管理組合の運営する 『リバースセンター』 は、東近江市の一部と愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町の家庭及び事業系の生ごみを含む可燃ごみを処理する施設で、対象処理人口約57,000人から出されるリサイクルできない可燃ごみを、固形燃料化(RDF)する ≪ごみ固形燃料化施設≫ です。
平成9年に稼働を始め、13年半の実績とノウハウの蓄積をしてきました。
【『リバース(Re-Birth)センター』の概要】
稼働当初は、1日7時間運転で22t/日の処理能力でスタートしましたが、需要増加によって現在は5:00~23:00の18時間運転で約35t/日の可燃ごみを処理し、約15~17t/日のRDF固形燃料を生産しています。
この順調な増産は、設備のハードと運転技術のソフトの融合によるものです。
・総事業費:約22億円
・RDF製造能力:ごみ搬入量の約1/2の製造
・運転管理費:トン当たり28,300円、年間約4憶60,000千円(内2億円の公債費含む・15年償還)
【RDF化処理施設のメリットとデメリットについて】
(1) メリット
・ごみ処理だけでなく燃料を製造しているという意識への変化によって、職員の経済性意識の高揚<良い原料(ごみ)から良い商品(固形燃料)>
・煙突がない施設であるため、施設とRDFに対するイメージアップ
・イメージアップによる、お荷物施設から誘致へと転換
(2) デメリット
・実績あるメーカーが限られ、入札の選択の幅が狭い
・ごみの厳正な選別が必要で、異物混入などの運転停止時の、隣接施設との連携が必要
・破砕や乾燥工程でのエネルギー投下・消費量が大きく、総二酸化炭素排出量が多い
【RDF化処理施設の考察すべき点】
・売却先の確保と、シーズンによるごみ量と質の差による製造量の安定
・販売価格と運送費が収支に大きく影響する
・過去の火災・爆発などの事故原因調査による、安全性の説明(現在は問題ない)
・修繕費が、焼却施設との比較に置いて経常化しているため負担感が強い
【今後求められること】
・ハイコスト・ローサービスとならないために、“公のすべきことと民の活用” で、効率のよいスマート・ガバメントの確立
・“報償金と課徴金” の応用で、市民力によるごみの総量削減
・収集費と処理費を明確に分離することで、ごみ処理経費の把握
・エネルギー・消費量投下削減による、CO2の削減
RDFのメリットをより大きくし、デメリットをより小さくし、よりよい原料からよりよい商品を製造するためには、よりよい分別収集の智恵が求めれれるのです。
「家庭生ごみの中身の多くが加工食品となっていることで、RDFを燃料とすることでの環境に対する影響を考えるとき、生ごみを可燃ごみとせず、生ごみ独自の処理施設の検討も必要ではないか」
との意見には、一つの方向が示されているように感じました。
市民の協力による 「入口」 の意識によって、 「出口」 の姿が大きく変わることを学んだ研修でした。