民生常任委員会の行政視察研修報告(平成29年)・2ー②

「がん検診向上の取り組みについて(検診すすめ隊等)」

境港市のがん検診受診率は、国内で最も受診率が低いといわれている鳥取県内においても、受診率ワースト1だ。境港市で、平成23年~27年の5年間にがんで死亡した人の割合は、全国を100として、胃がん123.9、結腸がん136.8、直腸がん124.8、肺がん122.0、乳がん112.4、子宮がん212.3で、すべてのがんにおいて全国平均を上回っている。この状況を改善すべく、平成26年度から29年度にかけ、受診率向上策に取り組むこととした。

がん検診受診率向上対策として、個人負担金の軽減や休日検診の拡大、受診会場の拡大等の、受診しやすい環境づくりとあわせ、継続受診のPRにも力を入れてきた。主な取り組みは、とりだい(鳥取大学)メディカルセミナーや境港医師協会と連携した講演会、検診すすめ隊の結成等がある。

検診すすめ隊の結成は、身近な人に勧められたことによって受診した割合が多かったことによる。隊員になった住民と関係機関に830個のオリジナルバッジを配布している。

環境づくりや継続受診PRの多様な取り組みの結果、すべてのがん受診が県平均に遜色ないレベルまで向上してきた。

 

検診すすめ隊の効果は、大きなものがありました。私の考えるその理由は、検診を勧めてくれる身近な大切な人と、いつまでも健康で幸せな生活をしたいとの思いが、そうしたに違いなのです。目標や生きがいを共有し、いつまでもともに楽しく、生きた証を積み重ねていきたい、と思えるようなまちにしなければ何のためのがん検診向上なのか。そんな考えを、改めて深めるきっかけとなった研修でした。