平成29年6月議会の一般質問報告の2件目は、「新学習指導要領に対する取り組みについて」です。
【質問】
2020年から始まる新学習指導要領による学習は、これまでの「詰め込みかゆとりか」といった二項対立ではなく、これまで同様の学ぶ内容は減らさず、これまでの何を学ぶかに加えて、どのように学ぶのか、何ができるようになるのかといった視点で見直すようだ。グローバル化人口減少がますます進む2030年代に生きる今の子どもたちが、今学ぶべきものを示し、「学力」だけではなく「考える力」を育むためだ。
その方法として、アクティブラーニングという学習方法をすべての教科に取り入れるとともに、小学校での英語の教科化やプログラミング教育の必修化を取り入れることとしている。
そこで、新学習指導要領を文部科学省が定め、進めていこうとする社会背景について聞くとともに、3年に満たない先に迫る新学習指導要領の実施に対し、市教育委員会としてどのように取り組んでいくのかを問う。
【答弁】教育長
社会背景は、グローバル化の進展や人工知能の飛躍的な進化など、社会の加速度的な変化を受け止め、将来の予測が難しい社会の中でも、伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、志高く未来をつくり出していくために必要な資質や能力を子どもたち一人ひとりに確実に育む学校教育を実現することが、求められているためだ。
新学習指導要領で求めようとする学力は、子どもたちが知っていることや、できることを使って、どのように社会や世界とかかわり、よりよい人生を送るかまで追い求めようとする総合的な能力だ。アクティブラーニングというキーワードは、現在は、主体的・対話的で深い学びという表現で教育現場に発信されている。教育委員会では、対話の活動を意識しながら授業改善するため、独自にリーフレットを活用しながら、全学校に方針を示している。
小学校の英語の教科化は、学校現場にとっては喫緊の大きな課題だ。現在、山本小学校に小学校外国語教育研究推進モデル地域として県教委から指定を受けており、2020年の全面実施に向け、パイロット的な取り組みをしている。
プログラミング教育については、専門的知識を持った教員の育成のため、本年度、ICT支援員を配置し、必要に応じて各学校に派遣している。また、現在、7名からなるICT整備検討委員会を設立し、情報環境や教員のスキルアップを図る手法について協議している。
【再質問】
少子高齢・人口減少社会が世界で最も早く進め日本において、プログラミング教育で労働生産性を格段に向上するとともに、答えの用意されていない問題に対して答を導き出す力によって、未来社会をデザインする可能性を秘めていると考える。新しく教育長に就任されたので、教育長としての考えをお聞きしたいと思う。
【再答弁】教育長
一番大切なのは、プログラミング教育を推進していく前提として必要なものが、言語能力や思考力、論理的に考えていく力などの重要性だ。これらの資質、能力は、全ての教育の基盤として、長年重要視されてきたものだ。新学習指導要領の全面実施までの間、各教科でこれまで以上に授業の充実を図っていきたい。加えて、目的に応じて必要な情報を見出すとか、情報を基にして深く理解して考えをまとめたり、相手にふさわしい表現を工夫したりするという、新たな学びの場も設定していく必要があると思っている。
ICT環境の整備を行いながら、プログラミング教育が初期段階であるため、国や関係機関等の情報を注視しつつ、柔軟に対応をしていく。
教育会も大きな転換期に入っており、着実に制度とするとともに、子どもの力としていくことが私たちの仕事だと思っている。