学童保育指導員学校

学童保育クラブは放課後児童クラブともいい、放課後家に保護者が不在で、帰るところがない小学校低学年の子どもを預かり、家庭のような安心して生活できる場となることを目指しています。
学童保育は、保護者の就労支援が目的で始められたものですが、現実は、第2の家庭とも言われるように、子どもの健全な保育・成長の場としての役割に、強い期待が寄せられるようになっています。
保護者にとって安心して子どもを預ける場であることは、安心して仕事ができるようになるということです。
全国学童保育連絡協議会主催の 『第35回全国学童保育指導員学校 四国会場 in香川』 が、本年も7月4日(日)に、高松テルサで開催されました。
全体講義では、春日井敏之 立命館大学教授から “愛されて育てられるということ~子ども・親・指導員のつながり方” のお話がありました。
「指導員の皆さん、何がしたくて指導員をやっているのですか?」 と、
先ず問いかけられました。
そして、
「日々色んな顔を見せる子どもの一言や行動に、落ち込んだいしませんか?
人と関わる仕事は傷つくものです。
学童保育は、未熟なもの同士の関わり合いなのです。
この子はなぜ私にひどいことを言うのだろうか?
子どものSOSを受けとり考えるのが教育であり、成長の支援なのです。
指導員の皆さん、大切なことは、自分にとって学童保育がどういう意味を持っているのかを、自分自身に問いかけることができるかどうかなのです。
そのことによって、子ども・親・指導員がつながることができるようになるのだと思います。」
終わりに、実際にあった親子の お互いの存在がお互いに求めあう “つながろうとする涙” のお話に、 “愛されて育てられるということ” とはなにかを感じた講義でした。
分科会に分かれての講座では、全国学童保育連絡協議会事務局長の真田裕(さなだゆたか)氏から、“学童保育の基本~役割とあり方~” のお話がありました。
「学童保育は、学校よりも長く子どもを預かっています。
そのことから、安心して生活できる 『第2の家庭』 であり、学童の友達を 『昼間の兄弟』 とも言われています。
現状、1割の子どもが止めているとの調査結果がありますが、すべての子どもが喜んで通う場所にしなくてはなりません。
やりたいことができないとか、いじめられるとかの問題を解消して、子ども自身のありのままを出すことのできる “一人ひとりを大事にする学童保育をつくる” ことが欠かせません。
人間に対する信頼感を育てることが、人としての成長につながります。
“分かろうとする努力” が、信頼関係を築くのです。
そして、保護者と指導員の信頼関係が、 『子どもの安心』 の土台を創り出すともいえるのです。
学童保育で子育てすることを選んだ親たちのためにも、子どもたちの安全・安心な生活の場をつくってゆくのが、 “学童保育の基本~役割とあり方~” なのです。」
子どもの成長に強烈に関わっている、事の重要さを再認識したのでした。