「中小企業憲章」 閣議決定される

中小企業は、地域経済の担い手であり、大多数の市民生活の糧の大本である働く場となっています。
これまでの大企業重視の政策では、グローバル世界となった激変の経済環境の中では、日本経済そのものが立ちゆかなくなっていることは、現状を凝視する者たちは気づいています。
この現実にあって、政府は平成22年6月18日 「中小企業憲章」 を閣議決定しました。
中小企業庁は、本年2月に 「中小企業憲章に関する研究会」 を設置し、6回の開催の後、10日間のパブリックコメントを経て 「中小企業憲章」 として取りまとめたのです。
「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」 で始まり、
「世界的な不況、環境・エネルギー制約、少子高齢化などによる停滞に直面している。中小企業がその力と才能を発揮することが、疲弊する地方経済を活気づけ、日本の新しい未来を切り拓く上で不可欠である。」 として、
「国の総力を挙げて、中小企業の持つ個性や可能性を存分に伸ばし、自立する中小企業を励まし、困っている中小企業を支え、 “どんな問題も中小企業の立場で考えていく” 。」 と謳っています。
そして、
「これにより、中小企業が光り輝き、もって、安定的で活力ある経済と豊かな国民生活が実現されるよう、ここに中小企業憲章を定める。」 となっています。
政策を実施するに当たっては、
・ 中小企業が誇りを持って自立することや、地域への貢献を始め社会課題に取り組むことを高く評価する
・ 家族経営の持つ意義への意識を強め、また、事業継承を円滑化する
・ 中小企業の声を聴き、どんな問題も中小企業の立場で考え、政策評価につなげる
・ 地域経済団体、取引先企業、民間金融機関、教育・研究機関や産業支援人材などの更なる理解と協力を促す
・ 地方自治体との連携を一層強める
・ 政府一体となって取り組む
などが、上げられています。
『中小企業の活力無くして、日本の復活なし』
国は気づき始めています。
この気づきをさらに確かなものとする一方で、地方においても明確な地域経済再生の指針が求められるといえます。 
行政や市民の誰もが、地域経済の根幹をなす中小企業を理解し評価する、明確な意志が表明されるべきだと考えます。
地方政府としての地方行政ができることは、中小企業を地域全体で支援する明確な方向性を指し示すための地方の法律である、条例制定があるのだと思っています。
できることならば、今回の 「中小企業憲章」 の閣議決定に止まらず、国民の宣言としての 「中小企業憲章」 となり、それが間近に控える 「中小企業基本法」 改正の指針となり、さらには、地方政府の覚悟を示す 【三豊市中小企業振興基本条例】 へとつながってゆくよう働きかけなくてはならないと考えています。