少年育成指導者セミナー

香川県教育委員会と県少年団体協議会が主催する、平成22年度少年教育指導者セミナーが、6月20日(日)に、高松市国分寺町にある 「香川県青年センター」 で行われました。
主催者の一方である県少年団体協議会とは、『子ども会』 『ボーイスカウト』 『ガールスカウト』 『宇宙少年団』 『スポーツ少年団』 を構成団体としています。
私は、子ども会育成連絡協議会理事としてこの研修に参加し、「支援を要する子どもたちの現状と指導者としての心構え」 と題した、元県教育委員会特別支援教育課主任指導主事で、現善通寺市立東中学校教諭の佐藤宏一先生の講話を聴く機会に恵まれました。
支援の要する子どもたちの中で、発達障害の子どもたちに対する指導者とは、どうあればよいのかというお話でした。
これまで何度か色々な機会で、発達障害の子どもに対する指導について、講義を受けたことがありましたが、今回のお話は基礎的な部分から入って、実際に学校の現場で接する実践の中から気づいた言葉で語られ、腑に落ちるものでした。
1990年代から学級崩壊の原因に、発達障害があると教育者の中で言われ始めてきまた。
発達障害とは、私たちが当たり前だと思っていることが、当たり前にできない子どもがおり、他の子どもたちと大きく変わったところはないが、得意不得意の差が大きかったり、少し変わっていると思える部分があることだ。
発達障害の原因は、ハッキリとは解明されていない。
遺伝子的要素や妊娠・出産時・出産後のごく早期の何らかの障害のために、脳の一部に障害が生じたものと考えられる。
それは、育て方や愛情不足が原因ではない。
ただし、育てにくさから不適切な養育をしてしまうことがある。
発達障害を知る意味とは、発達障害の知識や指導技術を学ぶことで、適切な理解をするためだ。
それによって 「親の躾ができていない」 「生活環境が悪い」 「本人の努力不足、怠け」 「変わり者」 「頭が悪い」 等の子どもの成長を閉ざす要因を排除して、正しい理解と支援につなげて成長させることである。
発達障害を学び指導に活かす目的は、発達障害を理解する指導者による適切な指導ができることによって、二次的障害を発生させないためにある。
支援者としての存在価値とは何か。
子どもは支援者を的確に見極め、判断している。
助け、模範、指示、愛情、理解 等の何を求めているのか。
発達障害を知ることと知らないことでは、指導に大きな違いが生まれ、子どもの成長に取り返しのつかない結果をもたらすのだ。
知らないことによって適切な指導ができず、子どもの成長を閉ざしてしまうことの責任は重大です。
発達障害を持つ子どもの存在を知り、それを認識する指導者の必要性を再認識した研修でした。