会派研修報告 (5)

3日間の三豊市民クラブ会派研修の最終日に、衆議院議員会館で 「バイオマスをめぐる情勢」 と 「平成22年度 地域バイオマス利活用交付金について」 の説明を農林水産省よりうけました。
本年、三豊市は 「バイオマスタウン」 の認定を受け、竹を資源とした事業を展開する計画で、交付金制度の適用をうけることとなっています。
より効果的な運用のためにも、私たち議員も 「バイオマスタウン」 に対する情報と理解が必要で、今回の研修は、良い機会となりました。
「バイオマスタウン」 とは、
① 動植物の有機物資源で、化石資源を除くもの。
② 動植物が太陽エネルギーを使って産み出すもので、生命と太陽がある限り、再生可能な資源。
③ 大気中の二酸化炭素を吸収し、カーボンニュートラルな資源。
と定義できる。
バイオマスの種類には、大きく分けて3つある。
1) 廃棄物系バイオマス:家畜排泄物、食品廃棄物、下水汚泥、木廃材等
2) 未利用バイオマス:稲わら・もみ殻、麦わら、間伐材等
3) 資源作物:糖質資源(さとうきび・てん菜等)、でんぷん資源(コメ・トウモロコシ等)、油脂資源(菜種・大豆等)
である。
バイオマスの特性として、これまでの化石資源の非循環型に対し、持続可能な循環型社会の構築ができ、二酸化炭素を増加させないことによる、地球温暖化防止につながる。
日本の、2008年の調査によるバイオマス利用率は、廃棄物系バイオマスの内、食品廃棄物の利用率が約25%で、未利用が75%と大きく、特に家庭系生ごみの未利用率の割合が大きい。
また、未利用バイオマスは、食用でない農作物の未利用率が約70%であり、林地残材にあってはほとんど未利用の結果となっている。
なぜ国産バイオマス燃料の生産拡大が必要なのか。
『食料・農業』 『環境』 『エネルギー』 の3つの面の利点があるからだ。
『食料・農業』は、資源作物を手がけることで耕作放棄地が耕作地となり、農業の国際競争力が強化され、食糧供給力向上によって、食料安全保障が見込める。
そして、新産業の創出で雇用の受け皿となり、地方活性化が期待できる。
『環境』は、未利用バイオマスと廃棄物系バイオマスの活用による循環型社会が形成され、カーボンニュートラルの特性によって、地球環境保全に貢献できる。
『エネルギー』は、原油価格変動に影響されることなくエネルギーを安定確保でき、エネルギー安全保障を確保できる。
バイオマス・ニッポン総合戦略は、平成14年に閣議決定され、さらに平成18年に 「バイオマスタウン構築の加速化」 と 「バイオ燃料の利用促進」 の観点から見直され現在に至っている。
全国に300地区を目標に、バイオマスタウンを広めてゆこうとしている。
これまでの取り組みとして、ブランド化による地域おこしが実績を上げている。
竹を資源としたバイオマスタウンの取り組みはいくつかあるが、これといった実績はまだないので、三豊市の取り組みに期待している。
三豊市では、荒廃竹林から切り出された竹を資源として、事業化を進めています。
本年度は、「地域バイオマス利活用交付金(ソフト事業)」 で、21,000千円の内10,000千円の交付が決定しています。
竹を資源とする取り組みは困難が予想されます。
しかし、当市にに群生する孟宗竹の高い水分含有率を、デメリットとするのか、それともメリットととらえるのかは私たちの見方によります。
説明の終盤に、宮津市や諫早市で取り組んでいる新技術の 【農林バイオマス3号機】 の紹介がありました。
外部から加熱し、無酸素下でバイオマスと水蒸気を化学反応させる方法で、“浮遊外熱式ガス化法”という技術です。
従来のバイオマス発電方式の10~20%より、発電効率が30~40%と高いといいます。
水分含有率の高い孟宗竹の素材力を活かすことが可能ではないかと感じています。
実験機は、本年度稼働するとのことで、情報収集をしてゆきたいと考えています。
5回にわたる会派研修報告は、今回で終わります。
研修時点で気付かなかったことや、忘れていたことを思い返すためにも、いただいた資料の復習は欠かせません。
今回の研修で学んだことを、日々の議員活動と施策に活かさなければならないと思っています。
貴重な経験となった、内容の濃い3日間の研修でした。