三豊市議会の第一会派 「三豊市民クラブ」 は、5月17日(月)から19日(水)までの3日間、東京都内に会派研修に行って来ました。
17日と18日の両日は、田町のホテルを会場として開催された 「第一回2010年度 日本創造学会 研究大会 “日本の再生・地方自治の創造~地方からの挑戦~」 に参加しました。
19日は、衆議院議員会館において、農林水産省から 「バイオマスをめぐる情勢」 及び 「平成22年度 地域バイオマス利活用交付金について」 の説明を受けました。
日本創造学会 研究大会は、地域主権時代に相応しい地方自治のあり方を探究するために、全国の地方議員を対象に、その資質の向上と地方議会の課せられた担うべき役割を再確認するために企画されたものです。
地域主権をかかげて政権交代が現実のものとなり、地方自治とは何か、真に機能する議会とはどうあるべきなのかが、にわかに問われています。
このような問題認識の下、1日目は講演、2日目は事例発表分科会が設けられていました。
講演は3件あり、
① 中央大学教授で、当学会会長である佐々木信夫氏による 『地域主権国家と地方自治の展望』
② 衆議院議員で、前ニセコ町長逢坂誠二氏による 『わが国の地域主権改革~そのシナリオと課題』
③ 東京大学教授で、政治対談番組でおなじみの御厨貴氏による 『日本政治の課題と展望~何が問われているか』
でした。
① 佐々木信夫氏からは、当学会の設立目的と、日本の政治システムが大転換する中で地方議会の役割の重大さを指摘するお話でした。
【設立目的】
・ 公選で選ばれた人たち(議員)が、知的な政策を磨く場が、これまでなかった。エリートという言葉の意味は、日本で使われる意味と異なり、本来は公選で選ばれた人のことをいう。エリートがエリートとして働く国にしなければならない。
・ 古くから 「農学栄えて農業滅びる」 「経済学栄えて経済滅びる」 そして 「政治学栄えて政治滅びる」 などといわれるが、実務に携わる議員とアカデミズムが情報共有し、機能し会う場(学会)をつくる必要があるからだ。
【地方議会の役割】
・ 地域主権改革とは、身近な政府(地方自治体・地方政府)の自治権を確立し、市民の意思で政策やカネの使い道をコントロールすることは、自己決定・自己責任・自己負担が大前提となる。そこでは、当然にして議会の役割はこれまでと比較にならないくらい重要である。
・ 国から地方へと権限が移されることで、地方議会の活動がより重視される地方自治が進められる。地域主権国家では、地方議会は政策官庁の役割を果たさなければならない。
・ 地方議会は、チェック機関から立法機関へと変容してゆく。議会をどう変えるかは、次の5つが考えられる。 『立法・政策能力の向上』 『議会の自立性の確立』 『議会スタッフの充実』 『監視統制機能の強化』 『開かれた議会づくり』 などだ。
・ すぐやれる改革として、8つある。 『会期制限の撤廃』 『定数の独自設定』 『政務調査費の活用』 『政策スタッフ』 『議員の執務室』 『政策グループ議員で条例提案のススメ』 『予算研究会の創設』 『広域圏で議会連携』 などだ。
・ 議会改革の切り札として、 “議会法制局の共同設置” と “議会基本条例の標準装備” が考えられる。
公選で選ばれた地方議員には本当のエリートとなり、地方主権時代に地方政府でこの機能する、立法機関に相応しい議員となって欲しい。
地方議員としての資質向上に、当学会を十分に活用いただきたい。
講演を聴講した感想として、
地域主権改革は、地方議会を構成する議員の力量向上に取り組もうとする、議員個々の意識改革であると思います。
私自身の力量の向上はもちろんのこと、当学会での学びを指針として、三豊市議会改革を進めてゆくことを、会派としてできるところから直ちに着手しなくてはならないと、決意を促された講演でした。
次回も引き続き会派研修報告をします。