会派清風会の行政視察研修の2件目の訪問先である、栃木県佐野市の民間「認定こども園 あかみ幼稚園」の研修報告をします。
車から降り、「認定こども園 あかみ幼稚園」の正面玄関に立った目の前にある園舎は、学校法人中山学園学園長である中山惠三氏と、ご子息である理事長で統括園長の中山昌樹氏の二代につながる、保育・幼児教育理念を形にした、積み重なりであると感じた。
あかみ幼稚園は、認定こども園で、就学前の子どもに幼児教育・保育を提供している。保育園と幼稚園の両方の機能を備え、入園していない地域家庭への支援も含めた役割を果たしている。認定こども園のいいところは、①保護者が働いている・いないにかかわらず全ての子どもが利用できる ②0~5歳児の年齢の違う子ども同士が共に育つ ③子育ての相談などの子育て支援を行い、地域の子育て家庭を支援するところだ。
あかみ幼稚園は、5,500坪(18,000㎡)の広い園庭に、平成28年は350名の園児が通っている(1号:183名、2号:102名、3号:58名、他7名)。通う園児の小学校区は、遠近30校区とこれまた広い。このことからも、「認定こども園 あかみ幼稚園」の地域からの信頼が強いことがわかる。
幼児教育・保育の方針は「遊びで学ぶ」であり、その環境が充実している。遊びは、主体性(〇〇したい)と自律性(自分をコントロール)を同時に育む、乳幼児期の学びのあり方だ。木製アスレチックや木登りできる木、農業体験できる畑、ビオトープ、アヒル・チャボ・うさぎ・やぎなどの小屋、プラネタリウム、陶芸窯などで、子どもと保護者、地域の人々の豊かな生活を支えている。特に陶芸は、現理事長の中山昌樹氏が最も思いを注ぐものだ。若き日に、窯の中で揺らめく炎の魅力に取りつかれ、子どもと大人に体験してほしいと取り組んでいる。地域の子育て中の女性たちが窯場で談笑しながら、楽しそうに作業をしていた。陶芸の虜になっているようだ。就学前の子どもたちの成長のための、理想の環境がここにある。
認定こども園の運営が、幼児教育・保育のプロではあっても経営ができるような、組織体制を構築することの重要さを認識しました。「認定こども園 あかみ幼稚園」は、それを実現していました。確かな理念に基づく幼児教育・保育の二代にわたる息の長い実践がそれを実現しているのだとも感じました。認定こども園制度をしっかりと研究し運営力を培うことが欠かせません。
2件目の研修報告を終わります。