中小企業の使命

企業の役割は大きく分けて二つあります。
一つは、業績を伸ばし適正利益を確保し、税金を納めることです。
もう一つは、安定経営で社員が安心して仕事ができる、雇用の受け皿となることです。
三豊市が打ち出した地域経済活性化と基盤強化の政策に、地域産業支援による地元企業振興施策があります。
目的は、自主財源確保による財政的にもしっかりとした、真に自立するまちづくりのためです。
ところが、地元中小企業にどのような支援策を講じようとも、当事者である企業経営者自らが、地域経済を支えることによって、まちづくりの根幹を担うのだという “使命” に気づかなければ、効果は薄いと私は考えています。
今、 『三豊市中小企業振興協議会』 が結成され、手探りで支援事業の展開が行われようとしていますが、現段階では、企業の役割の一つである「納税」による財政の安定からの発想に止まっているように思われます。
しかし、本当はもう一つの「雇用の受け皿」としての役割が、まちづくりにとって重大な意味をもっているのです。
なぜなら、市民が安心して仕事のできる雇用の場を確保できる企業でなければ、「納税」すらままならないからです。
この意味からして、地域の中で生きる中小企業経営者には、社員の皆さんに対していかなる経営環境に遭遇したとしても、 「皆さんの生活は絶対にまもる」 といった、覚悟が求められるのです。
この覚悟から湧き出る使命感は共感という熱波となって、必ずや社員や市民に、そして地域全体へと伝わるのだと信じています。
中小企業の使命は、市民の皆さんが安心して仕事ができ、安定した収入が得られ、定住できる地域とするための、雇用の場を死守することなのです。
いかなる経済環境となったとしても、この地域からどこにも逃げてゆかない、地域と共に歩む企業とならなくてはならないのです。
経営者のためだけの企業が持続・継続も成長・発展もしないことは、志ある経営者は知っています。
そして、社員が幸せにならなければ会社が成り立たないことにも気づいています。
“生きるよろこび・育てる楽しさ、を三豊に!” 
私は、これを実現するのは、どんなに苦しくても雇用の受け皿となる、使命を果たす覚悟と志ある、地元中小企業経営者なのだと思っています。
『三豊市中小企業振興協議会』 が、中小企業の使命を議論する熱き場となることを期待しています。