会派視察研修報告・2

二日目の視察先は、鹿児島県鹿屋市の柳谷(やねだん)です。行政に頼らない「むら」おこしで、全国から注目を集めている「やねだん集落の取り組みについて」研修をしました。

 

鹿屋市柳谷集落は、通称を「やねだん」といい、人口280人、高齢化率40%に届こうとする、人口減少高齢社会を絵に描いたような農村です。全国のどこにでもある地方の集落が、なぜ地域再生したのかを、その空気の中に身を置いて確認するために、はるばるやってきました。

出迎えから説明、施設案内をつきっきりでしてくださったのが、自治公民館長 豊重哲郎さんです。まさに「やねだん」再生のキーマンです。豊重さんは、平成8年3月の自治会公民館総会で公民館長に抜擢されてから20年間、行政に頼らない地方再生を実践してきました。そのためには、自主財源確保が欠かせません。その方法として、土着菌を活用した取り組みや、空き家を改造して芸術家を呼び込む事業、遊休地を活用して栽培したサツマイモを原料にした「やねだん」ブランドの焼酎の開発等、独創的でオリジナリティあふれる活動に取り組み、実現してきたのです。そして、税金の払える(みなし法人)集落にまで活性化したのです。

豊重さんが、これまでの間に経験した様々な出来事の中から気付いた、教訓や確信の言葉がいくつかあります。 ①「やねだん」の唯一の資源は「人」である。やれる人たちだけで活動しても長続きはしない。地域が一致団結しなければ、まちおこしなどできない。地域活動に補欠などいらない ②人集めには仕掛け人がいる。コーディネーターは重要で、人の力を引き出し、感動と感謝で人の心をゆさぶり地域に還元するリーダーが不可欠だ ③行政にできないことは何か。それは、後継者の人材育成だ。 ④むらは住民自治。運営には人財・会計管理・組織がいる。活動の財源には、補助金は使わず、スポンサーなしで、奉仕作業をすることで自治会費をとらないと決め、自主財源を確保し企業会計を原則とする。

これらの基本的な考えが集約された言葉が、「行政に頼らない感動の地域づくり」なのです。

「やねだん」の地域再生の取り組みが成功してのは、リーダーである豊重哲郎さんの、人を感動させやる気にさせる人間力が起点になり、そこに集う人の渦が上昇気流に乗り広がっていったのです。この研修でやるべき方向性が見えてきました。私自身の住む自治会から、私自身ができることはなにかということです。実践として、未来を見据えるための基本情報となる、自治会内の正確な人口構成とその推移の把握からしていくこととします。その実績を基に、市内へと地域再生の手法を広げていきたいと考えています。

貴重な気付きを、実践していかなくてはなりません。

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