教育カウンセリング研修会

平成21年度教育カウンセラー協会香川県支部研修会が、2月6日(土)にユープラザうたづで行われ受講してきました。
香川県教育委員会委員長で香川大学教育学部教授の有馬道久先生による、 『まなざしの教育心理』 と題した3時間の講演でした。
見ることの不思議として、逆転メガネ(左右逆転・上下逆さまに見える)を使った、米国の心理学者のストラットンの研究を例にあげ、始めはすべてが逆に見えるのだが2・3日すると順応し、普通に見えるようになるのです。
このことが意味することは、人間は元々逆転して網膜に写る像を、経験によって普通に見える(正立視)能力を獲得するということです。
言い換えれば、学習し順応が生じるのです。
動物は生まれたその時から自立自食できる能力を備えていますが、人間は自立自食できるまでに約1年が必要です。
この期間に豊富な環境刺激の中で人間として育つようにできているのです。
このことから、動物は生まれた本能のまま大きくなるが、人間は教え学ぶことでどのようにも成長する可能性を秘めていると言えます。
公教育を支援する立場で、小規模学校運動の先駆けである米国のデボラ・マイヤーは、
“教えることは聞くことである。
    学ぶことは語ることである。”  
と言っています。
この言葉から気づいたのは、
“教えることは聞くことである。
 教えることは観ることである。”
と言うことです。
逆転メガネの体験による、実は 「ありのままを観ているようで観ていない」 ことの気づきと、子どもをしっかりと観るまなざしの大切さを思うのです。
まとめとして、「まなざし」 と 「こころざし」 の話です。
「こころざし」 は 「こころ(心)」 と 「さし(指し)」 の複合語で、ある対象に心を引きつけられるとき、それがきっかけとなって生まれる、志向性を持つ心の動きを指しており、子どもに向かう心だと言えます。
一方、 「まなざし」 とは、子どもに視線を向けるときの目の様子です。
また、夢と志の違いについて、夢は「あなたの笑顔と繋がっている」だけだが、志は「あなたと、あなたの周りの誰かの笑顔と繋がっている」。
すなわち、夢は自分の内に止まっているものであり、志は社会を視野に入れたものだと言えるのです。
『まなざしの教育心理』 は、教師の “まなざし” と “こころざし” で支えられているものなのです。
“教えることは聞くことである。
 教えることは観ることである。”
のです。
私の教育カウンセラーの本気の学びは始まったばかりです。
≪お知らせ≫
2月9日(火)の本日よる10:00~ NHK 『プロフェッショナル』 で、
観音寺第一高校定時制 岡田倫代先生(香川県教育カウンセラー協会 理事)の、 “生徒たちへの熱い関わりと生徒の成長の様子” が放送されます。
ご覧下さい。