香川県市議会議長会議員研修会の報告

年が変わって1月が終わり、はや2月も下旬に差し掛かろうとしています。三豊市議会では、2年を任期とする議長(副議長は1年任期)及び常任委員会等の改選の時期となっており、しばらくの間慌ただしい時が過ぎていきました。2月22日(月)に開会の臨時議会において、新たな議会人事が決定する予定となっています。そんな中、平成28年2月2日(火)に開催された「第18回香川県市議会議長会議長会議員研修会」の報告をまとめるための時間が、ようやく取れました。

講師は、早稲田大学名誉教授の北川正泰先生です。三重県議会議員や衆議院議員、三重県知事を歴任し、一貫して「中央集権から地域主権へ」を掲げて活動してこられました。演題は『地方創生時代の議会改革』で、議会の役割を自らの足元を見つめ直し、議員はこの時代の使命を果たさなくてはならないことを、様々な言葉を駆使して語りかけてくださいました。

 

日本は、1945年 300万人の死者を出し敗戦した。政治の大失敗であった。戦後、国の再建のために軍事力に金を割けなかったから米国との安全保障条約があった。そのおかげで経済発展に注力することができた。結果、東洋の奇跡といわれる大成功を手に入れた。中央集権が機能したからであり、この時代にとっては最も良い体制であった。

一方、工業発展のため製造が”善”であったため、「公害」が発生した。そのような状況となり、「神奈川県から日本を変える」として神奈川県知事が現れた。9年かけて<情報公開条例>の制定を勝ち取った。そして、戦後30年の後に、国の<情報公開法>ができた。さらに、戦後50年後の1995年に<地方分権推進法>が成立し、法的には50年かかって中央集権から地方分権時代に入った。2000年に<地方分権一括法(機関委任事務の全廃)>が成立し、団体自治の形式要件は整った。そして、ついに、戦後70年後の2015年に制定された<まち・ひと・しごと創生法>で、住民にも見える住民自治の時代に入った。

ここの時代において、地方自治体の発想をチェンジし、「地方政府」とならなければならない。①自治行政権 ②自治財政権 ③自治立法権 の3つを持つことが要件だ。”市長部局の執行あって政策なし”の考えが、東京だけを栄えさせ地方を衰退させた。これをチェンジし進化させれば、メイヤーはいらなくなり、議会+シティーマネージャーが行政を行うこととなる。先進国はこの形だ。ところが、しばしば議会不要論がいわれるが、先ずは、現在の二元代表制を機能させなければならない。

議員の会議規則の見直しによって、執行部が変わった事例がある。三重県議会が変わったことで執行部が変わった。議会事務局の充実で好循環が生まれた。例えば『議会事務局』の呼び名を『議会局』にすることで、議員の小間使いではないことを名実ともに立ち位置を変えることができる。また、政務活動費を増やし、議員はしっかり勉強すべきだし、議会報告会は、お茶菓子位出して、専門家をファシリテーターに迎えて市民と対話しやすい形を検討してはどうか。

地方分権時代の議会は、若者や女性の参画による多様性が必要だ。これまでは国から地方自治体への『官から官へ』の分権改革だったが、これからは【産・学・官・金・労・言・市民(NPO)】の行政への参加が求められる。議会は、『官から民へ』の架け橋にならなけらばならない。そのためには、議員個々の思惑や私欲を本当に捨てなけらば、地方分権時代の議会改革はできない。

県レベルで議会事務局の勉強会を、執行部と対等の立場で行ってほしい。議会改革とは、執行部より上になり、リードしていくということだ。議会がピリッとすれば執行部もピリッとする。だから、その逆もある。「地方政府」確立のために、議会が頑張ってほしい。地方議会が地方を変える。なぜなら、執行部は法律を守らなければならないが、議会は改革ができるからだ。

地方分権改革は、「地方政府」となるように議会から変えようとするものだ。そのために、議会の権威を上げるよう全力で取り組むことを期待している。議会は権威をもて!議会が絶対に必要な時代になったのだから。

 

まさにおっしゃる通りで、赤面の思いです。議員として、この時代の使命を果たすために、さらに私欲を捨て無私の心で取り組んでいく覚悟です。北川先生ありがとうございました。

 

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