今年も心に伝わるお話を聞くことができました。三豊市青少年健全育成事業が平成27年12月13日(日)に開催され、表彰式と講演会が行われました。
第1部の表彰式では、「家族のふれあい・あいさつ運動・わたしの夢」をテーマにした絵画と標語優秀作品と、善行青少年・少年健全育成功労者の表彰が行われました。続く第2部では、「夢と人~親としての子どもとの接し方~」と題して、教育アドバイザーとしてテレビやラジオで活躍の下地敏雄先生から、国語教師として30年以上中学校で教鞭をとった中で繰り広げられた出来事を中心に、子どもとの関わり方をお話して下さいました。
子育てが難しいのは法則がないからだ。うまくいかなくて悩むのは当たり前で、落ち込むことはない。子どもにとって母親は元気であってほしい。『反抗期』という言葉は良くない。私は『モヤモヤ・イライラ期』と言いたい。自分をコントロールできないだけだ。だから、親として自分の子ども時代の感覚を思い出し、子ども心で接することだ。
先生は、私生活が楽しくなくてはいけない。楽しさはどこから生まれてくるのか。それは【夢】を持つことだ。私は教師をしながら芸能人になることが夢で、タレントスクールに通った。そうすると心が熱くなり子どもたちをしっかりと受け止めることができるようになった。すると、子どもたちが変わっていった。これを私は勝手に━お熱の法則━といっている。【夢】を持ち、実現しようと努力することで、私の心の在り様が知らぬ間に変化していたのだ。それが子どもたちに伝わったのだと思う。
いじめはどうして起こるのか。ここに一枚の写真入り年賀状がある。テレビ共演した小栗旬さんから年賀状が来るようになった。小栗さんは一度でも共演した人には年賀状を出し続けるそうだ。そこに彼の生き方に対するポリシーを感じる。いじめがなくならないのは、大人にポリシーがないからだ。子どもに接するには、先生としての伝えるべきゆるぎないポリシーを持って欲しい。もう一つ、私は年一回近所にある保育所の運動会を見に行く。天使のような子どもたちを見ていると心が洗われるからだ。邪気のない無垢なこの時期に、みんな同じなんだということを細胞の隅々まで奥深く染み込ませたやってほしい。みんな自分と一緒なんだと。
終わりに言いたい。人を育てるには【夢】が必要だといったが、持っているだけではダメだ。【夢】を実現するには『努力』『我慢』『感謝』することを身に着けてほしい。【夢】を引き寄せ我が物とするのは自分自身であることを伝えるために、子ども心をもって接してほしい。
下地先生はお話の冒頭、私たち聴衆の元気のなさにカンフル剤を打つように、自虐的に「途中で講演を止めたらGTOは『サギ』だ」といっておられましたが、実は、【夢】に向かい子どもたちを未来へ導く『ハヤブサ』(小惑星探査衛星)だったのでした。親としての子どもの接し方とは、夢を持つことによって生まれる多様な生き方を知ることなのだと気づかされた、楽しい講演でした。