三豊市議会では、議会改革に向けて議会活性化特別委員会を中心に取り組んでいます。11月16日(月)と17日(火)の2日間、全議員を2班に分け市内4か所で、平成27年度2回目の議会報告会を開催したところです。
その熱も冷めやまぬ3日後の11月20日(金)に、議会改革をテーマにした『三豊市議会議員研修会』を開催しました。お招きした講師は、東京財団研究員の中尾修先生です。北海道栗山町議会事務局長であったとき、全国初の議会基本条例の制定に尽力しました。それをきっかけとしてその後、制定の波は大きなうねりとなって、今では700を超える自治体議会が制定しています。‟ミスター議会基本条例”といっても過言ではない中尾修先生のお話は、議会が覚醒して本来の役割を果たすならば、日本は今すぐにでも復活するであろうことを期待できる、高揚感のあるものでした。演題は、『全国に広がる地方議会改革━議会基本条例から考える━』です。
自治体議会議員の性別構成は今も男性中心だが、三豊市議会事務局は6人中4人が女性だ。議会に女性の気づきが必要とされている。議会への住民参加が今後ますます重要なことだ。中学校の公民の教科書にも 「それぞれの地域は先ず住民自身によって運営されるべきもので、そのために国から自立した地方公共団体をつくるという原則があり、このことは憲法によって保障されている。」 とある。首長と議会は市民から直接選挙で選ばれ、二元代表制としてそれを市民から代役として預かっているのだ。議会基本条例は、議会が一丸となってそれを担うために動くことを定めている。だから、執行部に対し分かっていることでも詳細まで質問することで、市民に知らせることが必要だ。そこには、執行部と議会の間の機関競争があるからだ。
財政が厳しく選択と集中の時代であればこそ、元鳥取県知事で元総務大臣である片山義博氏が鳥取県知事に就任した直後の県議会での挨拶には、学ぶべきことがある。
「私が議会にお諮りする案件について、県民の意思が他のところにあるとすれば、ためらうことなく修正を加えていただきたいと思います。また、私がお諮りしない案件につきましても、県民の意思を踏まえて必要があれば議員各位の発議により条例の制定などに取り組んでいただくことを望みます。これらのことでの遠慮は私には無用でありますし、これがそもそも我が国地方自治制度が想定している議会本来の姿でもあります。県政にずれがあるとすれば、それはもちろん執行部の責任でありますが、同時に議会の責任でもあります。私は県民の代表として、真に県民のための県政を実現するため全力を尽くします。議員各位におかれても、同じ県民の代表として県民の総意を県政に反映させるべく、積極果敢な議会活動を展開されることを切望する次第であります。」
東京財団モデルの議会基本条例は、 1.議会報告会の開催 2.請願・陳情者の意見陳述 3.議員間の自由討議 の3項目を必須要件としている。
私が全国初の議会基本条例制定にたずさわった栗山町では、議会報告会で3点について徹底している。 ①自治会長と議会が合同で共同開催する ②選挙で選ばれた議員が構成する議会による報告会は、民意をくみ取る正当性がある ③議会報告会の報告を、責任委員長が本議会で報告し、議事録に残すことで議会の歴史として住み重ねていく
地方自治法は、現場より先を走っている。例えば、 ●議会事務局機能に関する規定:「庶務を勝利する」から「事務に従事する」へ改正 ●議決事件の拡大に関する規定:法定受託事務であっても、議決事件の対象にすることが可能に ●通年議会の実現に関する規定:通年議会の実現 ●臨時議会の招集権に関する規定:首長の意向に左右されない議会の招集の実現 など、議会の活動に自由度が強化されている。地方自治体議会は、もっと勇気をもって活動していくべきだ。できることはいくらでもある。先ず、できることからやっていけばいい。
市議会は議員のためのものではなく、市民のものであるといった当たり前のことを再認識するとともに、今できることの目標が具体的に見えてきました。三豊市議会基本条例に定めた議会報告会を、先ずは、充実したものとするため、三豊市議会が一丸となって動くばかりなのです。