平成27年になって事情があり、3月議会の一般質問はお休みしていました。障害者自立支援法から障害者総合支援法に改められ、初めての三豊市障害福祉計画が本年3月に策定されたことで、どうしてもこの6月議会で取り上げたいテーマがありました。一般質問通告通り 「三観圏域における障害者(児)福祉の現状と課題及び対策について」 を行いました。
【質問】
第4期三豊市障害福祉計画は、平成27年度から29年度の3か年を計画期間としており、これまでの障害者自立支援法から ‟障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律” 障害者総合支援法に改められて、初めての計画となる。制度の谷間のない支援の提供とともに、地域の人を地域で支える展開へと進めようとしている。
障害児が通う特別支援学校卒業後の進路は、適性や希望により企業等への就職や障害者支援事業所への通所や施設入所がある。ところが、三観圏域においては障害者支援事業所の定員が不足しており、他圏域の施設へ通所せざるを得ない状況となっている。今後、香川県西部養護学校やその他の学校からの卒業生や、これまで引きこもり状態であった中年齢の障害者も、今回の法改正で事業所の利用を始める人も増加しており、ますます事業所と定員不足は確実と予測される。
このような現状から、三観圏域における障害者(児)福祉の現状と課題及び対策について質問する。
1.三観圏域における現状と課題について、どのように分析しているのかを問う。
2.遊休公共施設の有効利活用として、障害福祉計画で定めた政策目標達成のため、施設維持管理費用の削減と、事業所設立を容易にするための初期投資負担軽減による、福祉事業目的の条件付き公募の考えを問う。
3.新たに事業所設立を促すための助成や補助制度による、設立支援制度の創設を問う。
4.真に福祉の充実した地域社会とするためには、地域の人を地域で支える社会性のある事業形態(ソーシャルサービス・ビジネス・ベンチャー)施設が必要だ。事業所開設に向けて、保護者にばかりに負担をかける事業所運営ではない、福祉事業者が純粋に障害者の支援事業所を起業しやすくする条件整備について問う。
5.第4期障害福祉計画の放課後等デイサービスの見込み量を、平成26年度の169人から29年度の199人の30人増としているが、その具体的方策を問う。
【答弁】
1.これからの社会は、障害のある人全てが障害のない人と地域社会の中でともに暮らし、ともに活動できるような取り組みが求められていると理解している。三観地域自立支援協議会の調査で、保護者等の回答では地域で生活するために必要な支援として、経済的な負担の軽減、相談対応の充実、必要な住宅サービスが必要との回答が上位を占めている。今後利用したいサービスとして、就労継続支援、就労移行支援などで、卒業後の進路に悩んでいることがうかがえる。また、事業者の回答では、日中活動対応の事業所数は利用者と事業者間の調整などにより対応しており、利用者が事業所を選択できないという傾向が見受けられ、充足しているとはいいがたい状況だ。
2.市内の遊休公共施設は、現在クリアプラザ跡地など数か所あるが、小学校の統廃合によりいくつかの遊休施設が生まれる。福祉事業目的による条件付き公募について、関係部局などとも協議していきたい。
3.事業の設置には社会福祉施設等施設整備費国庫補助金という制度がある。現在、三観圏域で事業を行いたいとの3件の相談があり、1件は申請中だ。市からの事業者への支援は、遊休公共施設の有効活用などと併せて制度の創設ができればと考えるが、現在のところ財政事情からも厳しい状況だ。
4.社会性のある事業運営形態となれる整備条件について、第4期障害福祉計画で施設や病院からの地域移行や親亡き後に備えるため等、障害者の生活を地域全体で支える体制の構築を目指している。国の政策で地域生活支援拠点の整備や基幹相談支援センターの設置を掲げており、三観地域自立支援協議会で協議を始めている。社会性のある事業形態(ソーシャルサービス・ビジネス・ベンチャー)は、成熟社会の労働の在り方として理想的なものの一つだ。新たな事業所の出現に期待するとともに、支援していきたいと思っている。
5.NPO法人や養護学校等の関係機関と現在も協議中だ。今後も市として見込み量が確保できるよう推進していく。
平成27年6月議会の一般質問の報告を終わります。