今回の研修の最後の訪問は、岐阜県関市と美濃市の2市でつくる 「中濃地域広域行政事務組合」 が運営する、 『クリーンプラザ中濃』 です。
『クリーンプラザ中濃』 は、研修一日目に訪問した多治見市の 『三の倉センター』 と同様の総合ゴミ処理施設で、関市と美濃市の118,000市民の安心な生活を確保するために、平成15年に稼動を始めています。
施設構成は、焼却施設である “ガス化溶融炉” と 資源ごみ再資源化施設の “リサイクルプラザ” 及び、粗大ゴミ処理施設と最終処分場からなっています。
焼却施設は、ガス化炉と溶融炉が連動した(株)荏原製作所製の 「流動床式ガス化溶融システム」 です。
500℃~600℃のガス化炉の底に敷き詰めた砂を空気で吹き上げ、この砂によってゴミを粉砕し、乾燥・ガス化(炭化)します。
そして、このガス化炉で発生したガスを溶融炉に送り込み、燃焼空気によって1300℃~1400℃で溶かすという仕組みになっています。
このシステムの特徴は、投入したすべてのゴミを溶融するのではなく、混入している金属類をガス化炉で「炉底金属」と「炉底アルミ」として分離回収することが可能となっています。
そして、金属類と分離されガス化された可燃ごみは、溶融炉でスラグ(ガラス粒状)となり、金気の無い良質の砂として、工業製品に再生利用されています。
処理能力は、168t/日(56t/24h×3炉)で、常時2炉運転しており1炉を緊急対応用とし、3~4ヶ月ごとに循環運転しています。
発生する熱を利用した蒸気タービン発電機は、1980kwの発電能力を持ち、家庭用電力量に換算すると800戸分に相当し、現施設の8割の電気を賄っています。
建設費は、73億4千万円ほど。
運転管理費はトン当たり3万円で推移していますが、稼動を始めて5年程が経過して、修繕費用もあわせ年間11億円を超える予算を費やしています。
資源化施設の“リサイクルプラザ”は(株)神戸製鋼所によるもので、施設規模として、12t/日の資源ごみの処理能力を持っています。
内訳は、ペットボトル 7.14t/日、トレイ 0.41t/日、缶 3.29t/日、ビン 7.14t/日の処理実績となっています。
建設費は、11億2千万円ほどとなっています。
『クリーンプラザ中濃』 は以上の施設を主として、他、粗大ごみ処理施設と最終処分場など、総額96億円を費やし整備されています。
今回の広域ごみ処理施設研修で、2種類の技術の異なるゴミ処理施設を訪問することができました。
処理システムの同時比較調査ができたことは、三観広域行政組合におけるごみ処理技術検討に、大きく役立つ研修となりました。
以上で、2日間の日程で行ってきました、 『多治見市 三の倉センター』 並びに 『中濃消防組合 消防本部』 と 『中濃地域広域行政事務組合 クリーンプラザ中濃』 の視察研修報告を終わります。