三豊市議会議会基本条例第12条に基づく 「三豊市議会議員研修会」 が、1月23日(金)に三豊市議会議場において、議員、議会事務局員、一般市民傍聴者の参加で開催されました。演題は 「議会改革運動論~会津若松市議会の議会改革の取り組み~」 で、講師は、福島県会津若松市議会議員の目黒章三郎氏です。目黒さんは、平成7年初当選し現在4期目で、平成23年8月~25年8月まで議長を務めています。
議会改革は、これまで当たり前だと思っていたこと一つから取り組むことができる。たとえば、議会の議長選挙に市長を始め執行部が議場にいる必要があるだろうか。議会の議長なのだから必要はないのではないか、と考えてみることだ。
中学校の公民の教科書に地方の政治・自治に関する内容が記載されている。『栗山町議会の議会制度改革の記事』 『議会も首長も、互いに抑制しあい均衡を保つ関係』 『首長と地方議員という、2種類の代表を住民が選ぶこと(二元代表制)』があり、地域住民を起点とした政策形成(問題発見―分析―立案―決定―提案)が地方自治であることを説明している。
議会は、二元代表制の一翼として ●議決権を有する機関という重要性の認識(議決責任) ●そのために、多様な市民意見を背景に政策提案できる議会(一議員ではない議会というかたまり) であらねばならない。
会津若松市議会での議会基本条例の受け止め方は ●議会活動=顧客である市民を対象として行う新たな価値創造のための一連の諸活動 ●議会基本条例の再定義=議会基本条例とは、市民にとっての新たな価値創造に向け、市民参加を基軸とした政策形成サイクルの確立と実践によって、積極的な 【政策形成】 を行い、まちづくりの貢献していく、そのためのツールである。
議会基本条例に不可欠の3点は 1.市民と直接対話する意見交換会(住民の意見を聞く場となり、どうすればできるかを考える) 2.議員同士の自由討議(議案に対する賛成・反対・修正・付帯意見や決議など議会としての意見を示すために必要で、同じ賛成でも 異議なし賛成 も やむなし賛成 もある) 3.請願・陳情の意見陳述(西願・陳情も住民政策提言として受け止め、さらに政治への住民参加の機会を確保して、開かれた議会の一手段とする)
政策形成サイクルは、3つのツールを駆使する。 ツールⅠ:市民との意見交換会(意見聴取) ツールⅡ:広報広聴委員会(意見整理→問題発見→課題設定) ツールⅢ:政策討論会(問題分析→政策立案)
市民との意見交換会での意見、提言、要望等を起点とする政策形成サイクルは、市民から出された様々な声を、「議会に関するもの」と「市政に関するもの」に分ける。「議会に関するもの」の中で『議会自らの課題として検討するもの』は、今後の対応を検討する。次に、「市政の関するもの」の中で『議会としての政策検討課題テーマとなるもの』は、今後の対応を検討する。検討の方法は、【政策討論会全体会】 【政策討論会分科会】 【政策討論会議会制度検討委員会】 で検討を行う。その結果を市民との意見交換会へ報告する。その中での意見交換を経て、政策となる。政策となり予算化、執行されたものは、予算・決算審査において評価を行い、その結果を意見交換会で報告し、意見交換することによって、さらに政策形成していくサイクルになっている。
常任委員会における議員間討議の進め方は ①議案の内示の後、議案内容の事前調査・検討を行い、課題・論点の洗い出しを行い、それについて議員間における論点の整理・確認を行う ②当局から提出議案の内容説明の後、論点を踏まえた当局への質疑を行い、必要に応じて論点の再整理・議員間討議を行う ③討論 ④表決 の手順としている。予算・決算審査を連動させた政策形成サイクルを実行し、政策課題の解決に役立てている。
講演の終わりに目黒氏から、会津若松市議会における議会基本条例を出発点とした、政策形成サイクルによる具体的実践が紹介されました。政策形成のプロセスが明確であるために、議会がその政策をなぜ必要と認め、どのように形成していったのかが、市民からもよく分かるようにできています。三豊市議会における、議会というかたまりになった政策形成を目指していかなくてはならないことを知ることができました。