総務教育常任委員会 視察研修報告・2

総務教育常任委員会視察研修の2件目は、埼玉県春日部市での研修です。研修の目的は、「市議会における災害発生時の対応」についてです。

 

春日部市は、埼玉県東部の中核市で、人口24万人弱、面積65.98㎢を有し、都心から35㎞の位置にある。江戸時代から日光街道の粕壁宿として栄え、古くから水路・陸路の交通の要所となってきた地域だ。幾度かの市町村合併を経て、平成17年10月1日に新春日部市となり現在に至っている。かつては桐たんす・羽子板・麦わら帽子などの産地として知られていたが、近年ではアニメの くれよんしんちゃん の舞台となったことで、市の広告塔となって春日部の名が知られている。

春日部市議会の、災害発生時における市議会及び議員の対応のルール化の必要性は、東日本大震災の教訓からである。その教訓とは、東日本大震災発生直後から、各議員に寄せられた市民からの情報や要望等が、一元化されていなかったことにより混乱したことで、対応が十分でなかったことだ。そこで、平成25年2月4日、災害発生時の市議会と議員の対応をルール化するため、「春日部市議会における災害発生時の対応要領」を制定した。

●春日部市の市対策本部が設置されたときは、市議会災害対策支援本部を設置し、議長が本部長となり、副議長が副本部長となる。本部役員は、各会派の代表者が就くこととなっている。

●本部の役割は、議員の安否確認を行い、市対策本部から受けた災害情報を議員に情報提供する。また、議員からの災害情報を収集、整理し、市対策本部に情報提供を行うとともに、被災地及び避難所等の調査を行うこととしている。

●議員の対応は、自らの安否と居場所を本部に報告し、本部からの情報提供を受け、地域の防災活動にあたるとともに、被災地及び避難所等の情報を収集し、本部に提供する。また、救援活動に協力するとともに、被災者に対する相談や助言と行うこととしている。

春日部市議会では、要領の制定に止まることなく議員の行動マニュアルを作成し、大規模災害に対する議員の認識を深めることが重要であるとの考えから、議場における避難訓練を実施している。

要領及びマニュアルでは、災害時における市議会災害対策支援本部と各議員間との連絡方法について、具体的な手段が明記されていなかった。連絡手段は電話やメールが想定されるが、これまでネールは活用していなかった。そこで、メールの活用を想定し各議員への『メール送信訓練』を行っている。

「市議会における災害発生時の対応」を明確にすることの大きな目的は、普段から地域に密着して活動している議員ならではの役割を果たすことである。

(1)市職員では把握しきれない情報の収集・整理を行い、市対策本部へ伝えること

(2)市対策本部の情報を直接、被害者個人個人に伝え、住民の不安や混乱解消につなげること

課題として、議員の選出地域の偏りや人数の制約で、全ての避難施設をカバーできていないことがある。

 

南海、東南海大地震の発生が予測されている現状の中で、三豊市議会においても取り組むべきテーマであると確信した研修でした。

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