三豊市議会運営委員会 視察研修の2件目、山口県山陽小野田市の報告をします。
山陽小野田市は、山口県の南西部に位置し、面積132.99㎢ 人口64,000人ほどの瀬戸内海に面した、「スエ器」の出土や製塩等で古くから栄えた歴史あるまちだ。近代にはいり、小野田セメント等が操業するなどし、セメントと石炭を礎に発展してきた。現在は、企業誘致や大学の開校等、新しい産業と教育の都市へと歩みを進めている。
山陽小野田市議会は、平成24年4月に議会基本条例施行後、【公開度】 【住民参加度】 【運営改善度】 の三つの目標を掲げ議会改革に取り組んでいる。
【公開度】 は、※会議の公開:本会議、委員会を原則公開 ※委員会記録の公開:ホームページで公開 ※議案及び関連資料の公開:傍聴者に配布 ※賛否の公開:議会だより及びホームページに掲載 ※議会情報の公開:議会フェイスブック
【住民参加度】 は、※議会報告会の開催:毎定例会ごと、中学校区の6会場 ※市民懇談会の開催:学校給食や議員定数等をテーマに、年間10回ほど ※請願者の意見陳述:請願審査の充実 ※市民モニター:来年度より実施
【運営改善度】 は、※代表質問制の導入:施政方針に対する質問で、3月議会より開始 ※一問一答方式の導入:9月から導入 ※執行部の反問権:論点を明らかにするため、質問の趣旨確認まで ※議決事件の追加:基本計画を審査 ※議長任期を4年に:二元代表制の一翼 ※予算決算の審査:予算決算常任委員会の設置
さらなる議会改革のため、平成26年から 『議会のあり方調査特別委員会』 を設置している。目的は、「二元代表制の一翼として監視機能及び政策立案機能の強化のため」だ。検討項目は、4点ある。
1点目は、議会機能について=(1)監視機能 ア.職員研修 イ.行政評価 ウ.議場の議席 (2)政策立案機能 ア.政策立案及び提言:政策研究会の設置、議員間討議の充実、議会の付属機関の設置と活用、議会事務局の充実強化 イ.政策形成サイクル
2点目は、情報発信・情報収集・市民参加=(1)情報発信 ア.傍聴者への議会資料の配布 イ.委員会中継 ウ.独自の市議会ホームページ エ.市議会フェイスブック (2)情報収集 ア.自治会、諸団体対象政調会 イ.政務活動費 (3)市民参加 ア.出前講座・子ども議会 イ.市民モニター
3点目は、議員報酬・議員定数について=(1)議員報酬 (2)議員定数
4点目は、災害時における議会の対応
検討項目のそれぞれに、今すぐ、中期、任期中といった3つのスパンに分け、検討スケジュールを定めている。
市民に対する議会の広報活動は、3種類設けている。〔議会報告会〕は議会が主催し、3班に分け6地区で開催(議会が市民へアプローチする形態)であり、〔市民懇談会〕と〔出前講座〕は市内で活動する団体及び10人以上の市民グループの申し込みにより担当委員会が対応する(市民が議会にアプローチする形態)、としている。
「政策討論会」は、本議会が本来の政策討論の場ではあるが、議会運営上時間的制約があるため、議題を決めて公開の場で議員通しの討論会を行っている。基本的な流れは、先ず、会派代表等が議長に議題を申し入れ、次に議会運営委員会で議題を決定する。そして、議長が座長となり議事を進行する。この中で出された意見の活用は、先ず、常任委員会及び特別委員会における審査・政策立案をした後、執行機関への政策提言をする。また、その他議会における政策形成へ反映する。
山陽小野田市議会では、今後ともさらなる議会改革のため、議会のあり方調査特別委員会での検討項目を基に、議会運営委員会で2年ごとの条例検証(35条)を行っていくこととしている。
タブレット端末を活用した議会運営や、パソコン持ち込み等ICTを活用した議会活動の取り組みなど、これまでの確かな実績と次への課題を見極めた議会改革の実践を知ることができた、有意義な研修でした。
今回の2件の研修で学んだことを、議会運営委員会の中で活かしていかなくてはなりません。