5月22日講演の3件目の報告をします。
「国家戦略特区による地域経済の再生へ」 藤原豊内閣官房地域活性化統合事務局次長(国家戦略特区、構造改革特区、総合特区担当)
「国家戦略特区」のミッションは「世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくる」ことだ。ビジョンは ●大胆な規制改革と税制措置 ●新しい技術やシステムによるイノベーションだ。これは平成25年4月14日に新藤義孝地域活性化担当大臣から発表されたものだ。その後、6月5日の安倍総理のスピーチに「国家戦略特区」の方向性が示された。
《小泉内閣が始めた構造改革特区は、地方自治体から提案を受けて、一つ一つ古い規制に風穴を開けてきた。まさに規制改革の切り込み隊長となった。今回の「国家戦略特区」は、構造改革特区の考え方を、さらに面的なものへと進化させるものだ。》
「国家戦略特区」の目的は、日本再興戦略の3つの政策の『第3の矢』の要として、民間投資の喚起により「日本経済を停滞から再生へ」導くことだ。その戦略は総理主導の下、国を挙げて強力な実行体制を構築し、「国家戦略特区」を突破口として、大胆な規制改革を実行することだ。その手順は、①広く現場から提案募集 ②特区で先行実施 ③成果評価とデータ分析 ④分析を基に新制度へつなぐ という流れだ。これから一連の実行で望まれる成果は、 【世界に打って出る(国際競争力の向上:日本の強み、魅力を活かし潜在力を最大発揮)】 【世界を取り込む(資本・人材の呼び込み:アジアのビジネス拠点の形成、企業・人材・アイデア交流の場に)】 【変われる国日本へ(イノベーションによる生産性向上)】 【多様と自律の国日本へ(地域等の多様性を活かしたルール作り)であり、「国家戦略特区」のミッション「世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくる」の実現をすることだ。
平成25年8月12日~9月11日に提案募集が行われ、242団体(地方公共団体:61団体、民間企業等:181団体)から応募があった。特区選定にあたって安倍総理からの指示で、政治的目的が明確となっている。 ●「国家戦略特区」は規制改革の突破口であり、世界から注目されるような画期的な規制改革を緊急に実現しなければならない ●提起された規制改革提案については、実現する方向で対応策を検討してもらいたい というものだ。
「国家戦略特区」で実現の方向で対応策を検討すべき規制改革提案分野は6つある。 1.医療 2.雇用 3.教育 4.都市再生・まちづくり 5.農業 6.歴史的建築物の活用 である。これらを3つの検討方針に集約すると ①『国際的ビジネス拠点の形成(世界から資本・人材を呼び込む国際的ビジネス環境の整備)』 ②『医療費の国際的イノベーション拠点の形成(イノベーションによる高度医療の開発及び実用化の促進)』 ③『革新的な農業等の産業の実践拠点の形成(農業等の改革による産業競争力の強化)』 となる。
今回選定された6つの特区から、日本では既得権益で不可能といわれてきたことを、岩盤を打ち破るドリルの刃で打ち破っていくこととなる。
【東京圏】 (東京都・神奈川県の全部又は一部、千葉県成田市) 国際ビジネス、イノベーション拠点
【関西圏】 (大阪府・兵庫県・京都府の全部又は一部) 医療等イノベーション拠点、チャレンジ人材支援
【新潟県新潟市】 大規模農業の改革拠点
【兵庫県養父市】 中山間地農業の改革拠点
【福岡県福岡市】 創業のための雇用改革拠点
【沖縄県】 国際観光拠点
この6か所の「国家戦略特区」では、具体的な事業計画について、早いものは本年の夏までに、国・自治体・民間が一体となってまとめることとなっている。
世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくるために、アイデア募集を最低年2回行うことは決定している。全国から多くの応募が寄せられることを期待している。
22日に受講した3件目の講演の報告を終わります。