会派啓明会 視察研修報告・Ⅰ-①

平成26年5月21日(水)~23日(金)の3日間、東京都内において三豊市議会会派啓明会の視察研修を行いました。21日は、東京ビッグサイトで開催されていた 〔自治体総合フェア 2014〕 に、22日と23日は(財)日本自治創造学会の研究大会に参加しました。

先ず、 〔自治体総合フェア2014〕 の報告をします。‟安心と活力ある地域社会の実現~協働・情報・減災~”のテーマで出展された各社ブースで説明を受けた後、二つの自治体トピックセミナー:地域包括ケアシステムセミナーを受講しました。

【講演Ⅰ】 「世田谷区における地域包括ケアシステムの取り組み~住みなれた地域で、安心して暮らし続けられるために~」 世田谷区高齢福祉部高齢福祉課 課長 瓜生律子氏

世田谷区は、面積58.08㎢ 人口87万人余 65歳以上人口は17万1千人余で20%近くを占め、75歳以上人口は8万5千人余で10%に届こうとしています。区内を5区域に分け総合支所に福祉事務所を置き、日常生活圏域となる27地区にまちづくりセンターを設け、そこには地域包括ケアセンターを配置しています。

介護給付費の推移と高齢者の状況は、平成12年度と24年度の比較において、高齢者数1.36倍(高齢化比率1.23倍)、要介護認定者数2.39倍、給付費2.73倍と大きく増加しています。また、介護保険の要支援・要介護認定者約34,700人のうち、認知症が約18,000人で、平成20年以降毎年約1,000人づつ増加しているとともに、85歳以上の6割以上が独居であるという状態にあります。このようなことから、85歳以上の高齢者と認知症高齢者に対する医療的ケアや、生活支援の見守りの必要性が増加してきたのです。

平成25年度実施した介護保険実態調査では、高齢者が介護を受けたい場所は自宅が65%を越えており、その希望を叶えるための取り組みとして、2つの方針をたてることから始めました。 ●地域の豊富な資源やネットワークを最大限活用して、区全体で地域包括ケアシステムを構築 ●身近な地区における相談体制の充実のために、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように、障がい者・子どもを含め支援に取り組む。地域の活動を地域包括ケアシステムに生かすために、区役所と地域包括支援センター、地区社協を同一の場所に整備する。 この最大の狙いは、「利用者と仕組み(介護事業所や見守り・住民活動等)をつなぐ 《マッチング》」 なのです。

点と点をつなぐ世田谷区の地域包括ケアシステムは、5つの柱で展開されています。 ●医療 医療関係者やケアマネ等で構成する「世田谷区医療連携推進協議会」による在宅医療・介護の連携の推進の取り組み(医療と福祉の顔の見える関係づくりで、情報の共有化を図るための連携シートを作成) ●介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の実施。小規模多機能型居宅介護(お泊りや訪問)などの新たな事業展開 ●予防 一次予防事業、二次予防事業の実施。喫茶店や大学等の社会資源を生かした居場所づくり ●住まい 認知症グループホームの整備や特養に都市型軽費老人ホームを併設する。サーブス付高齢者住宅の整備 ●生活支援 住民同士の支えあい活動、配食サービス、移送サービス、見守り、ボランティアのよる買い物支援のモデル事業実施

新たな取り組みとして、「認知症の人の早期対応体制の確立や、医療・福祉の連携推進、実務的な人材育成、家族支援の充実、情報発信等を行う専門的かつ中核的な拠点」である、 『認知症在宅生活サポートセンター構想』 があります。平成26年度に準備担当を置き、サービスの質の向上と人材育成を充実していきます。

世田谷区では、これからも区長が掲げる 「点と点をつなぐ《マッチング》」 で、「いつまでも住み慣れた地域で暮らしたい」の思いをかなえるために、地域包括ケアの推進に努めていこうとしています。

講演で、多様な分野がつながりあった 《マッチング》 の三豊市型の地域包括ケアシステム構築のためには、実態の確認と分析が重要なのだと、改めて気づくことができました。

次回は、研修1日目の講演②の報告をします。

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