2009年・平成21年が明け、おめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
元旦からそれほどの冷え込みも風もなく、どちらかといえば穏やかな新年の幕開けとなりました。
天候とは裏腹に、昨年から引き続くであろう経済不況は、本年、益々大荒れが予想されていますが、丑年にあやかって、牛のよだれのように粘くそして辛抱強く、経済再生のきっかけの年になるように願っています。
さて、新年早々ですが今年の大きな課題の一つについてお伝えしたいと思います。
経済・社会状況に関係なく、次代を担う子どもたちの教育と育成に、手抜かりがあってはならないと思うのは、私だけではないと思います。
昨年暮れに読んだ本に、諏訪哲二著・『学力とは何か』があります。
学力には「見える学力」と「見えない学力」の考え方があり、学力や知的能力を考えるには、それは大切な点であるといっています。
そのことは、“知”や“知識”を受け入れる子どもを容れ物のように考えるのではなく、それぞれの子どもごとに受け入れる独自の「態勢」の違いがあることを、問題にしているところにあるといっています。
別の言い方をすれば、「学力の基礎を鍛え落ちこぼれをなくす」には、《「見えない学力」とは、「見える学力」を支える土台という意味で、「言語能力の豊かさや遊びの充実、躾の徹底」》の大切さを言っているといえます。
厳しい時代の中にあっても、決して変わることのない進むべき指針となる考え方であると感じています。
三豊市では本年平成21年度より、放課後児童クラブ(学童保育)が、全市で制度が統一される方向で検討が進められています。
昨年末に市より提案された「三豊市の放課後児童クラブ(学童保育)の基準(案)」で、横山市長の“基準の策定にあたり”の中に、次のような文章があります。
《放課後児童クラブは、ここでいう子どもの放課後における 「適切な遊び及び生活の場」 にあたるものです。
それは親が安心して就労できるためだけにある施設ではなく、子どもが遊びや生活を通して健やかに成長・発達することを質的に保障する場であることを目的に示しています。》
と明記しています。
制度統一をきっかけとして、学童保育は先に記した『学力とは何か』で指摘されている意味合いを持った、「適切な遊び及び生活の場」として、まさに“質的”に充実してゆく視点を大前提として進められてゆかなくてはなりません。
行政側の都合による一方的な制度統一で終わらないために、「見える学力」を支える土台としての「見えない学力」を養う保育環境とサービスの提供を大切にするべきだと考えます。
先ず、良い指導者に恵まれなくてはなりません。
そのためには、学童保育指導員としての価値に見合った給与の確保の、雇用条件の充実です。
次に、保護者の運営に対する協働意識と、指導者への理解と信頼。
そして、適正な保育料(保護者の負担金)の設定ではないでしょうか。
制度統一によって学童保育クラブが、重要施策として認識され扱われるとともに、保育料の低減は歓迎されるものです。
しかし、このことによってすでに市内にある『公設民営』として運営されている学童保育クラブのサービスが低下するようなことがあっては決してなりません。
子どもが生き生きと生活でき、保護者に支持されるクラブを目指さなくてはならないと思います。
忙しい保護者に代わって豊かな家庭のような環境が提供でき、「見える学力」を支える「見えない学力」を育み養うための、三豊市の放課後学童保育クラブに進化できるよう施策を見極めてゆかねばならないと考えています。
経済・社会環境は大変な様相を呈していますが、こんな時であるがゆえに鈍牛の一歩に相応しい行動に価値があると信じています。
よくぞ、2009年・平成21年が丑年であってよかったと振り返ることのできる年にしたいと思っています。