夏休みが終わった最初の日曜日である9月8日に開催された、四国こどもとおとなの医療センターによる「香川子どものこころ診療ネットワーク事業の研修に、NPO法人青空クラブ指導員2名とともに参加しました。
「広汎性発達障害児への視覚支援の実際」の演題で、(株)おめめどう 奥平綾子さんから、わが子の成長の過程で悩み、気付き、経験し、実際に取り組んできたお話を聞くことができました。奥平さんには、今、21歳になる自閉症の子どもがいます。3歳6か月でそれと診断され、子育てに追われてきました。その中で、視覚支援が効果的であることに行き着いたのです。
障害児に対する『障害』の説明は、決して「かわいそう」とか言わず、「あなたは あなたでいい」と言い続けることです。そうすることで、『障害』は「遅れ」ではなく「ちがい」と受け止めるようになるのです。実生活での対応は、大きく3つあります。
1つ目は、スケジュール『みとおし』を持って暮らすことです。 ●診断されるとすぐ、視覚支援を開始(わかる情報を集める) ●4歳以降、それ(わかる情報)を、並べて、みとおしがある生活をしていく ●スケジュールは、見通しを持つだけでなく、若干の緊張感を持つためのもの
2つ目は、『選択活動』によって、人生の主人公になることです。 ●選んだものに対して、自分のものという意識が生まれ、自他の区別に発展 ●選んだことで、やりがいに繋がる ●自分が選んだことは、結果を知り責任を受け入れる などの三つの力が育っていく。「選択」は自己決定の大本。よって、【自己選択】 【自己決定】 【自己責任】・・・の連鎖を断ち切らないことだ。
3つ目は、1つ目と2つ目を引き出すために、『見えるコミュニケーション』で、お互いに伝え合い、分かりあおうすることです。そこには、言葉を絵にした道具(おめめどうグッズ)が支援に役立ちます。
奥平さんのお話は、これまでわが子と関わってきた試行錯誤の生活の中からつかみ取った、人と人との関わりの基本的な姿勢を言っています。その実践の中で、目で見てわかる生活の場面の色んなグッズを活用した、ありのままを語っています。一人ひとりちがった子どもたちに対する、見える指導とは何かを考えさせられました。これからのNPO法人青空クラブの学童保育における指導に、新たな視点を気付かせていただいた研修でした。