竹資源の可能性に関する講演があり、その中で三豊市のバイオマスタウン構想による、竹林対策の提言がありました。
現在、三豊市には約1,500haの孟宗竹林があるといわれています。
ところがその内容は、タケノコや竹製品などの需要減によって、管理放置され竹やぶと化した竹林が多くを占めています。
三豊市に限ったことではなく、日本の各地でも同様の問題がクローズアップされています。
1,990年以降のタケノコや竹細工品、竹の葉などの輸入拡大によって、国内の竹林面積に対する経営竹林の比率が減少し、管理放置竹林が急激に増加しました。
今世紀に入って、行政が竹やぶを管理竹林に戻すための取り組みが始まっており、竹林からの恵みを利用する動きになっています。
三豊市においても、竹林を地域活性のための資源と捉え、バイオマスタウン構想のもと、事業化に向けた展開を計画しようとしています。
市内には1,500haの竹林があるといわれ、1haあたり9,000本の植生しているとすれば、13,500,000本の竹が存在すると見込まれています。
これらを工業用原料として、安定供給できる仕組みによる計画的整理伐採で、地元企業である竹加工製造機メーカーの製造機によって、竹綿や竹パウダーの製造が可能となります。
これを材料とすることによって紙パルプ加工企業が、育児や介護現場で使用されるオムツやマスクなどを生産し、販売するという連携が生まれるのです。
地域にある自然資源と、工業技術資源をつなぐことによって、お荷物だと考えられていたものが有用資源に変容します。
三豊市の地域特性に相応しい、特定目的の企業誘致と育成が行われ、新たな雇用創出ともなります。
竹資源によるバイオマスタウン構想を進めるための、基本的な考え方として、
「新たな資源として捉えるのではなく、竹林整備から生まれる材料と捉えることである」
との言葉は、この事業の全体像を物語っており、忘れてはならないものだと思われるのです。