会派視察研修報告・2-②

前回に続いて別海町での視察研修報告をします。

【町立別海病院の現地視察】

既にお伝えしたように、別海町は香川県に匹敵する面積に対し、人口15,000人で人口密度12人の超過疎地域です。このような地域事情の中、町立別海病院は釧路、根室地域の医療圏における一次医療機関として、別海町民の健康と生命を守る役割を果たしています。別海町内には、民間医療機関が一軒もなく、僻地における地域医療を担う自治体病院の原点を見るようです。

戦後まもなくして日本赤十字社が診療所を開設し、後に病院となり、昭和26年地元自治体に移管され、「村立西別病院」となりました。昭和46年の町制施行にともない「町立別海病院」となりました。現在は、25億円を投じて平成24年10月にオープンした新病院を基幹施設として、2つの診療所を持ち、老人保健施設を併設するなど、広大な町内の保健・医療ニーズに対応しています。

町立別海病院の施設概要は、

・診療科目:内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科、精神科、診療内科、眼科(休診中)、リハビリテーション科の10科

・病床数:84床(一般83床、未熟児室1床)

・職員住宅:医師住宅、看護師住宅(独身用)完備

・院内保育所:24時間保育(民間委託)

となっています。

全国的に不足が言われている産婦人科医と小児科医は、それぞれ1名態勢ですが死守しています。これを可能にしているのは、産婦人科については母子健康センターと兼務する助産師10名の力によるところが大きく、年間180~250名の出産を手掛けてきました。また、小児科については出張医にお願いし、3か月間診察して1か月休診するという条件で対応しています。

計画的な医師確保施策としては、奨学金制度による修学資金貸付制度を設けており、医学生には20万円/月、看護師には10万円/月、としています。

町立別海病院の現地視察を通して感じることは、町民の健康と生命を守るという町に唯一の医療機関としての誇りと、最後の砦としての自治体病院を、維持運営し続ける行政の覚悟です。それは、基本理念である『地域の病院として 心のこもった医療で、町民の皆様の健康を 支援いたします。』にも表されています。

三豊市の市立病院のあり方として、地元民間医療機関と近隣地域の高度医療機関との関係を考えるのに、示唆となった研修でした。

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