三豊市議会保守系会派七宝会の医療問題研究会が7月31日(木)開かれました。
今回の研究会に講師としてお願いしたのは、三豊・観音寺市医師会会長(細川病院院長)香川嘉宏先生、副会長(三豊総合病院組合保健医療福祉管理者)広畑衛先生、理事(三豊総合病院院長)白川和豊先生、理事(西香川病院院長)仁井昌彦先生の4氏です。
地域医療の現状とその問題点、そして今後のあり方についてお話を頂きました。
三豊・観音寺地域の医療を語っていただくには、これ以上ない最高位の方々ばかりです。
*三豊・観音寺圏域内の開業医・病院の診療科の現状について
法律上、診療科目の看板を掲げるのは医師免許を持っていれば、開業医の選択に委ねられており制約はない。
全国的に見ても産婦人科・小児科医師に対する訴訟が多発しており、診察時間不規則や危険度の高さで、当地域でも産婦人科と小児科がかなり不足している。
身を削る思いで診療しても評価されにくい診療科目が減少していると言うことだ。
耳鼻科も不足気味で、眼科も少し不足の感がある。
*圏域内のベッド数の現状と問題について
15病院に2,127床あり、内11病院に669床の療養型病床がある。
また、89診療所の内、病床を設置している11診療所に192の病床があり、その中で78床の療養型病床がある。
国は療養型病床の削減を打ち出しているが、本来社会保障で見るべき人を医療が引き受けていた現実があり、社会保障の制度が判然としないままで削減を進めれば、病院から追い出された人を誰が見るのか大きな社会問題となる。
介護型療養や医療型療養の地域内での現状把握と対応が急がれる。
*大型医療機器の設置状況について
世界中に存在する「CT」「MRI」「超音波診断装置」などの高額医療機器の60~70%が日本にある。
機器を揃えないと患者がこないことや、わずかな病状でも検査しておかなければ医療事故発生時に医師の責任を問われる事例が多いためだ。
欧米諸外国と比較しても明らかだが、日本の特異な医療文化に過大な医療費負担の要因があるようだ。
*市立病院と医師会加入病院の連携について
三豊市には2市立病院と1組合立病院がある。
従来は、一つの病院ですべての医療を行っていた(院内完結型)が、交通・通信機関の発達によって現在は、それぞれの医療機関の役割分担を明確にした地域ネットワーク医療(地域完結型)で連携を強めてゆく。
*西香川病院の今後の運営について
三豊市立西香川病院は、三豊・観音寺市医師会が指定管理者として運営にあたっている。
“永康病院”でも“三豊総合病院”でもない、地域での位置づけを明確にした生き残るための形を模索し現在に至っている。
来年3月で10年間の委託契約期間が満了するが、医師会としては現時点で指定管理者として運営を継続するには、いくつかの解決しなければならない問題があると考えられる。
議会としても、西香川病院の問題に限定せず、三豊・観音寺圏域医療のあり方から議論を深めてゆかねばならない。
公立病院(2市立、1組合立)の、組合立による経営統合も構想の一つに考えられる。
率直な意見が語られ、不勉強な私にとって医療のあり方を考える切っ掛けとなった、有意義な研究会となりました。
新総合計画における地域医療のあり方で、市立病院の役割を精査してゆかなければなりません。
市立病院に対する議会の真摯な取り組みが求められており、先ず議会自らができることとして『地域医療調査研究特別委員会』の設置を進めてゆきたいと思っています。