四国カルストは雨と霧だった。
下界は40度にもなろうかという異常な暑さだったそうだ。
四国にもこんなところがあったのです。
8月14日(火)、以前から子どもたちの予定が合えば、一度は訪れてみたいところでした。
私は25年ほど前に、一度行ったことがあったのですが、その当時よりも道路は格段に整備がされており、休憩をとりながらでも4時間ほどで到着しました。
目的地の天狗高原と姫鶴平ですが、雨と霧のお出迎えで10㍍先の対向車も見えないそんなすごい状況でした。
晴れていれば、一面の緑の草原と白い石灰岩のコントラストで、感動の一日を過ごす予定が何も見えないのです。
「こんな四国カルストも滅多にお目にかかれないぞ」、と居直ってしまえるほどのあまりにも完璧な、シャットアウト状態だったのでした。
しかし、あいにくの天候でしたが、この時期には僥倖とも思える冷気で、下界の灼熱地獄を忘れる快適なひとときを持つことができたのでした。
休憩もそこそこに、松山へと向かいました。
途中、風に払われた霧の中から突如現れた、檮原町が設置した風力発電の風車には、SF映画を彷彿とさせる幻想的な迫力がありました。
これこそが“雨と霧の四国カルスト”でのみ出会うことのできた光景なのだと得心したのでした。
久万高原町に入り、相変わらず曲がりくねる道に沿いハンドルを切り進んでいました。
突然、私の視野に「ごうかく」の文字が飛び込んできました。
久万高原町西谷地区にある当町のコミュニティバスの停留所で「ごうかく駅」の看板です。
高校受験を控えた中三の息子と、高二の娘を持つ親としては、思わずブレーキに足がかかったのでした。
「うざい!」といやがる二人を順番に駅の前に立たせ、シャッターを押したのでした。
親心って切ないものですね?
子育てって、自己満足なのでしょうか?
子どもは自分の成長にとって役に立つ経験や体験を、上手に取り込んで行くものなのだろうと私は思っています。
まだ一緒に付いてくるのだから、まァ~いいか。
猛暑にもかかわらず、雨と霧で心潤う一日でした。