初日(3日)のもう一か所の研修先は、山口市の木質バイオマスエネルギーを実証研究している、中外炉工業の「バイオガス化発電システム」でした。
この地を研修先に選んだのは、三豊市の竹林対策の一つとして、竹のバイオマスエネルギー化の可能性を探るためです。
この「バイオガス化発電システム」は、製材所である企業組合ホーメックから排出される、木質チップや市中から持ち込まれる剪定草木を原料としています。
ガス化炉は、“間接式ガス化の原理”を用いた間接加熱方式で、原料中の可燃ガスを効率よく取り出します。
間接加熱方式で得られた可燃ガスは、2,500~3,500キロカロリーの高い熱量を持ち、ガスエンジン発電機で安定した電力の供給を可能にします。
また、エネルギーの回収効率は、発電による電力(20%)と合わせ、廃熱を蒸気(23%)や温水(8.5%)として利用するため、木質バイオマスの持つエネルギーの約50%が回収されます。
バイオガス化工程からは、バイオガスの他に副産物として炭が発生しますが、外部加熱源(熱風発生炉)の燃料として利用します。
そして、燃焼後の灰は植物の育成に適した微量要素が多く含まれており、林野や農地の土壌改良材として有効利用されています。
このシステムに利用可能なバイオマスとして、「木質チップ」以外に「コーヒー粕」「お茶殻」「麦茶殻」「もみ殻」「稲わら」「野菜絞り粕」「野菜屑」「天ぷら粕」「醤油絞り粕」「パン屑」「竹」「果汁絞り粕」「焼酎粕」などが有ります。
システムの導入の検討に当たっては、地域性(自然環境・風土・産業基盤)に応じた多様な背景と思想の有ることを、改めて知る機会となりましたが、経済面には相当に慎重な調査が必要です。