7月3日(火)~5日(木)の3日間、建設経済常任委員会視察研修に行って来ました。
3日は、地産地消と地域農業振興のテーマで、今治市の「JAおちいまばり さいさいきて屋」と、山口市の製材企業組合ホーメック内に有る、木や竹のエネルギー資源を研究している「木質バイオガス化発電システム」の研修となりました。
「さいさいきて屋」は、JAおちいまばり農産物展示直売事業として、今治市中心部から約3キロメートルの国道196号線沿いに、本年4月25日にオープンしました。
“つよい農業づくりをめざす”を掲げ「さいさいきて屋」は運営されています。
事業の理念と目標は、地産地消を進めることが地域農産物の生産・消費拡大、農家の農業所得増へと繋がる、ことにおいています。
それは、生産者と消費者が互いの「顔の見える関係づくり」が求められていると言うことです。
このために、「地産地消型地域農業振興拠点」を整備し、地産地消の推進・地域農業の振興・農業の担い手の育成・安全安心な食料の安定供給を実現し、農業所得の向上を目的とすることです。
「さいさいきて屋」は、駐車場270台を持ち、地元農産品の販売だけでなく、体験型市民農園や地消レストラン、加工施設などを併設しています。
<施設概要>
①地産地消型農産物展示販売施設(直売所) 売り場面積562坪は同一業態では日本一
②新技術・新品種実証農園 519坪
③体験型市民農園 2,319坪
④地消レストラン(食堂)+料理実習状 101坪
⑤加工施設(パン工房・フレッシュジュース・アイスクリーム工房) 54坪
⑥地産地消研修施設 36坪
オープンして2ヶ月を過ぎたところで、まだ成功したとは言い切れないとのことですが、集客状況や月間売り上げから予測して、年間売り上げ目標の14億円は達成は見込めるとのことです。
ただ、今治産以外の農産品以外は、扱わないことを基本コンセプトとしているために、季節による作物の出荷量の変動により売り上げの増減が心配されるようです。
行政の補助金を断り、JAの自己資金だけで進められた「さいさいきて屋」のオープンまでの経緯は、徳島県上勝町「彩り」の横石さんに似た物語が有ったのでした。
農家にとって最も良い形とは何なのかを突き詰めた、シンプルでありながら熱く心に伝わるお話でした。高い理念と、それを実践する人材とリーダーの必要性を痛感した研修でした。