“三観広域行政組合”の事業であるクリーンセンター問題を考える中で、広域行政の本来の役割とあり方を問い直さなければならないと感じています。
1市9町で構成されていた“三豊地区広域市町村圏振興事務組合”が、市町合併で三豊市と観音寺市の2市になり、現行政組合に移行しました。
この間、市町合併のうねりに飲み込まれ、一部の事務処理の見直しはあるものの、新しい時代に求められる広域行政の理念や性格についての充分な協議が、置き去りにされていたように思われてなりません。
このような状況の中で、新クリーンセンター問題が2市の間で議論されているのですから、話がかみ合わないのはしょうが無いことなのでしょうか。
しかしながら、広域行政の主旨と理念、そして目的には変わりがあろうはずはありません。
変わるとすれば、構成団体が変わることによる事業と組織の見直すことであろうと思います。
そのためには“三観広域行政組合”の現状の理解が必要です。
そんなことを考えている時、ちょうど平成19年3月発行の最新版「三豊広域ガイドブック」が手に入りました。
「三観広域行政組合議会」 :構成市議会選出16名(観音寺市8名・三豊市8名)
負担割合は人口比(観音寺市48%・三豊市52%)
「共同処理事務及び主な事業」
*養護老人ホーム“七宝荘”は、昭和49年三豊広域組合立の七宝荘と観音寺市立母神園を統合し設立。定員130名(2人部屋50室・1人部屋30室)。短期入所(1人部屋4室)。
*特別養護老人ホーム“とがみ園”は、平成6年に新築移転した。定員50名。他に短期入所20床・老人デイサービスセンター・老人介護支援センター・居宅介護支援事業を行っている。
*クリーンセンターは、昭和61年に焼却施設・灰固化施設・埋立処分地施設を、昭和62年に粗大ゴミ処理施設を稼動。現在、新クリーンセンター建設が検討されている。
*香川県三豊体育館の運営管理をすることで、地域住民の体力づくりやスポーツ振興に努める。
*電子計算センターは、住民に関する記録、納税通知書の作成、住民情報、税情報、印鑑オンライン等で証明などを集中管理。
*介護審査課は、平成12年からの介護保険制度に対し介護認定審査会が、平成18年からの障害者自立支援法に対し介護給付等認定審査会が、審査判定事務を行っている。
*常備消防である広域消防は、火災・救急・救助を行っている。消防本部・南消防・南消防第一分署・北消防・北消防第二分署・北消防第一消防・防災センターを有する。
*三豊ふるさと市町村圏基金の活用。平成元年から、1市9町からの出資と香川県からの助成で、10億円のふるさと市町村圏基金を設置して、運用益でソフト事業を展開している。
1市9町時代から2市となり、各々のまちが広域的要素を持った今、これからに向けての三豊地域をにらんだ広域事業とはどのような姿なのかを組み立て直さなくてはならないのではないのでしょうか。
三観広域の主旨と理念、そして目的の発想の原点に立ち返る時が来ていると思っています。