三豊市公民館研修会にあたって

平成27年2月24日(火)に市民交流センターで、平成26年度三豊市公民館研究集会が開催されました。三豊市公民館運営審議会会長の小林静夫会長が出席できないとのことで、副会長として挨拶をすることとなっていました。地方創生が掲げられて様々な施策に取り組み始めています。その中で、地域の底力の総動員なくしてその実現は叶わないと思います。その源の一つに、地域に根差した地道な活動を続けてきた公民館活動の活性化をいかに図るのかに期待が寄せられているのではないかと考えています。

 

三豊市公民館研究集会が、地区館長さんはじめ公民館活動に携わる関係者の皆さんの参加により、盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。また、日ごろは公民館活動を通して、三豊市の社会教育の一翼を担い大きく貢献して頂いていますことに、感謝を申し上げます。

さて、今この国の活力を取り戻すために地方創生が掲げられ、様々な施策が進められようとしています。人口減少対策と地方経済活性化によるものです。これはまぎれもなく、この国は地方の活力なくては成り立たないことを示しています。

地方の活力は、日々絶えることなく自らのために学び、人のために役立とうとする人たちによって支えられています。私は、その代表的な活動が公民館活動であろうと考えています。

本日は、高瀬町公民館勝間分館と詫間町公民館の活動報告や、新居浜市市民部長の関様の講演が予定されています。私も楽しみにしています。今日の学びを活かしていただけることを願っています。地域独自の活動や創造性によって、新たな暮らし方の知恵や文化の集積につながっていくことを期待し、挨拶といたします。ありがとうございました。

 

高齢社会において、介護予防等地域包括ケアの重要性はますます大きくなっています。公民館同様に、地域に根差した活動をしているいろんな団体や機関との連携の強化によって、支え合いの仕組みを構築していかなくてはなりません。

閉会中の総務教育常任委員会(第5回)

平成27年になって2回目で、26年度では5回目の総務教育常任委員会が2月16日(月)に開催されました。協議題は、1月23日(金)に開催された前回のこの会において、資料が十分でないとのことで持ち越された案件を中心に行われました。

「南部学校給食センターの運営について」

運営方法を公設公営と公設公営一部民間委託(調理及び配送を民間委託)する場合の、調理員数の推移及び人件費の資料の提示がされ、公設公営一部民間委託の方法で進める。業者選定方法は公募型プロポーザル方式とする。なお、北部給食センターに関する資料は、調査及び確認に時間を要するため、提示されず協議しないこととした。

「宝山湖公園使用料の詳細について」

三豊市宝山湖公園条例の使用料改正に向け、条例施行規則の利用規定の一部改正の説明があった。

「所管部局からの報告事項について」

●地方創成の概要について━まち・ひと・しごと創生法によって、市の取り組む方向性の説明があった。国の平成26年度補正予算による市の3月補正で、地方消費喚起・生活支援型でプレミアム商品券等に1億13,485千円、地方創生先行型で地方版総合戦略作成や観光事業等に71,010千円が交付予定。

●エリアマネージメントの現状について━『官民連携手法による本庁舎周辺等のエリアマネージメント』の現状と今後の予定の説明があった。2月24日に再配置審議会(実行計画の審議)、3月13日に国交省委託事業の報告書提出、3月議会で平成27年度実行計画の報告を行い、4月以降に実行計画の公開の予定。

「その他」の報告として、

●三豊市防災会の設立━平成27年2月8日設立し、会員115名(内、女性13名)。※現在の資格取得者数143名(内、女性14名)。

●女性消防団員結成について━7町各2人程度を平成27年4月に一般公募により募集。

●次期指定管理施設について━平成27年3月末日をもって指定期間終了施設の委託先を検討中。①ルポール粟島、キャビン等 ②たかせ天然温泉、心泉市たかせ ③父母ヶ浜海水浴場 ④つたじま海水浴場及びキャンプ場

 

以上で、閉会中の総務教育常任委員会報告(第5回)を終わります。

会派視察研修報告・3

会派視察研修報告の最後となる3件目は、島根県邑南町(おおなんちょう)における定住促進の取り組みです。子育て支援の充実や食にこだわった産業おこしで、地域の活性化に成果を上げています。

邑南町は、平成16年に石見町、瑞穂町、羽須美町が合併し誕生した、面積419.22㎢、人口約11500人余の農林業を主な産業とするまちです。先に研修報告した2件の訪問先同様中国山地にあり、島根県の中央部の世界遺産石見銀山の南に位置する山間部にあります。近年、自動車道整備によって広島経由で都市部との交通の便が良好となり、交流が活発になっています。

「邑南町における定住促進対策・日本一の子育て村の取り組みについて」 の研修を行いました。

 

邑南町のまちづくりの理念は 『持続可能なまち』 を目指すことだ。「日本一の子育て村構想」 を立ち上げ取り組んでいる。このまちも全国の地方同様、人口は右肩下がりだ。それを少しでも緩やかにしたい。平成23年度に 『攻めと守りの定住プロジェクト』 で、制度として取り組み始めた。 ①‟攻め”のA級グルメ構想(5年間) ②‟守り”の日本一の子育て村を目指して(10年間) ③徹底した移住者ケア の3本柱だ。

目標を0~18歳人口の増加・定住とし、その人口目標を平成22年:1,660人であるところを、平成28年:1,700人に、平成33年:1,800人とすることとした。そのために、「日本一の子育て村を目指して ~子育てするなら邑南町で~」を掲げることで、若者定住施策を充実させた。

医療、保健、福祉、教育、就労、定住支援、生活環境、生活情報、結婚等、の各分野で徹底的に事業化した。すべてを網羅して 【日本一の子育てに関するガイドブック】 として、誰にも分るようにまとめている。(概略版は全戸に配布、詳細版は希望者に配布) *資料は概略版

これまでの取り組みによる人口動態の推計は、合併10年目で初めて自然減を社会増が上回って、20人増となった。子育てしやすい環境は整ってきており、定住者数は平成22年:22人(内子ども3人)、平成23年:30人(4人)、平成24年:42人(7人)、平成25年:56人(10人)の実績となっている。たが、まだ出生率は上がっていない現状で、今後の課題だ。

これまでの取り組みで 「日本一の子育て村構想」 が目指す理念である、『地域で子育て 未来を創る みんなが笑顔で暮らせるまち』 の更なる実践が効果を上げることを確認できた。

徹底した移住者ケアは、日本一の子育て村推進本部を中心に、定住支援コーディネーターと定住促進支援員の連携で、UIターン者や定住者の声をくみ上げ反映している。新規施策として、子育て支援ポイント付与制度(さくらカード)を始めた。子育てサービスを利用するだけでポイントが貯まり、町内のお店で買い物に利用できるというものだ。たとえば、4か月検診を受けると20ポイント(夫婦で行くと40ポイント)もらえ、他の健診や子育てサロンに行くことでもポイント付与される。また、出生を祝うアルバムプレゼントや赤ちゃん誕生のお知らせ、地元キャラクター使用のベビー・イン・カーのシールなどを取り入れた。

‟攻め”のA級グルメ構想と連携した、行政と民間の協働による婚活イベントを活発に行っている。

これからも、様々な新しい事業や企画で 「日本一の子育て村」 に挑戦し続けていく。

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今回の研修テーマは、定住対策と子育て支援の取り組みであったため、‟攻め”のA級グルメ構想にはほとんど触れていませんが、「香木の森公園」を核とした食材の本当の美味しさ・魅力を伝えるA級グルメ発信拠点の取り組みや、「ハーブを利用した人と環境にやさしいこだわり米 特別栽培米『石見高原ハーブ米』」の取り組みも、大変興味深いものでした。このテーマだけでも再度研修に訪れたいものです。邑南町の攻めと守りの定住プロジェクトを起点とした 「日本一の子育て村構想と定住促進」 は、【日本一の子育てに関するガイドブック】 に収められたこれでもかといった施策の数々でできています。今回研修で学んだ邑南町の事業を、先ずは三豊市において取り入れるのも一つの手だと考えています。邑南町の研修は勿論のこと、いづれの研修も有意義なものでした。これからの活動に活かしていかなくてはなりません。

以上で、3回にわたる会派視察研修報告を終わります。

会派視察研修報告・2

会派の視察研修報告の2件目は、鳥取県八頭町(やずちょう)での 『八頭町のバイケミ(バイオケミストリー)農法について』 です。

八頭町は鳥取市の南に位置し、平成17年3月に郡家町(こうげちょう)、船岡町(ふなおかちょう)、八東町(はっとうちょう)が合併し誕生した、人口20,000人ほどのまちです。西条柿や花御所柿、二十世紀梨、りんご、ぶどうなど、フルーツの里そして全国に情報発信しています。八頭町のバイケミ農法は、日本古来からこの国の気候や風土に適した農法を基本にして、竹を肥料にして高い食味値の米や、鮮度や糖度、低硝酸値の野菜の栽培を目指すものです。

八頭町バイケミ農法研究会の取り組みの研修を行いました。

 

戦後、広く行われてきた肥料を土に深くすきこむ農法は、乾燥した気候風土のアメリカでは効果的なもので、それをそのまま雨の多い日本に取り入れたものだ。竹パウダーを肥料とする稲作は、生(なま)の肥料を表面で堆肥化させる表面施肥(上肥え)で、代掻き後、生の肥料として竹パウダーを散布し、直後に田植えをする。理想は田植え後に散布するのが良いと考えている。”おいしさ” は、横に張る横根の成長でうまれるもので、土深く伸びる直根は植物自身を支えるための根で、”おいしさ” には関係ない。八頭町では、孟宗竹パウダーを使用している。竹は稲と同様に草系植物であるため、炭素分解周期が稲の収穫期間に合致しているため、優れた生(なま)の肥料だ。

竹を肥料にしたバイケミ農法の効果は、  米:食味値が八頭町役場所有のサタケ米粒食味計RCTA11Aの計測で、90以上が90%以上  野菜:鮮度の日持ちが良く、高品質で高食味、高糖度(大根で9度)、低硝酸値

課題は、 ●多量の竹パウダーを作りにも、散布にも機械設備が必要で、多額の投資が伴うため、機械の所有・管理の体制整備が必要。 ●豊かな土壌づくりのためには、生産物の収穫以上の繊維の多い有機物を入れることが必要。一時的に多量投入すると、腐植には土壌中の窒素を吸収し、作物が窒素飢餓を起こすため、作物のために降るのではなく腐植促進のため、腐植に要する量の窒素を有機物に散布する必要がある。 ●竹パウダーの腐植は、土の表面の方が早いため、土壌表面に散布し竹パウダーを土の中にすきこまない。なぜなら、土中では腐植が進みにくく腐敗し有毒ガスが発生し、作物の根に障害が出ることで、連作障害の原因となる。

今後の展望として、 ●竹パウダーを使う農法は、日本古来の農法だ。現代農業として経営できるようにしたい。 ●和食も世界に周知される時代だ。世界から信頼される農家となり、心のこもったものを作れば、勝ち残れるはずだ。 ●野菜の硝酸イオンは、EUでは制限値が制定されているが、日本はない。日本古来の農法で、EUの制限の半分に減らすことが可能だ。

竹を肥料にしたバイケミ農法で栽培した米の収穫量及び売価の目標は、10a当たり600㎏で5,000円/㎏だ。この量とこの単価はまだまだの段階だが、1パック450g(3合袋)を900円でギフト市場の開拓を目指している。農家は 「土づくりではなく、作物づくりだ。量なのか質なのか。」 自らの農業経営の方針を明確にして、辛抱強くバイケミ農法に取り組んでいる。

 

説明して下さった バイケミ農法研究会 副代表の中嶋繁夫さんのバイケミ農法米は、八頭町の学校給食に出荷しています。子どもの味覚は幼少期に決まるためです。また、同席されたぶどう農家の会員さんのつくるぶどうは、竹チップを施肥したことで病気や害虫が少なくなったうえに、生食用は糖度20度となっているとのことです。直売所へ出荷するとともに町内の保育所で使用されています。地域とともに生き、地域とともに進化する農業の在り方の一例を学ぶことができました。我が家の稲作とぶどう栽培にも取り入れてみたいと思います。先ずは、実践です。

八頭町バイケミ農法研究会の皆さん、研修の段取りをつけていただいた町役場の職員さん、お世話になりました。ありがとうございました。

会派視察研修報告・1

三豊市議会の第1会派である 啓明会 の視察研修に平成27年1月20日(火)~22日(木)の3日間参加しました。訪問先は、中国山地の山間部にあり、それぞれの地域の特性を生かしたまちづくりに取り組んでいる、3つの自治体です。

一件目の研修は西粟倉村(にしあわくらそん)で、岡山県の北東部に位置し、北は鳥取県に、東は兵庫県に接した、人口1,500人ほどの林業の村です。三セクの智頭急行で大阪へ2時間、東京も日帰り出張が可能なため、都市との交流ができるところにあります。面積は57.93㎢で、内95%を森林が占めています。その内85%が人工林です。これを地域唯一の資源ととらえ 【百年の森林(もり)構想】 を掲げ、森林から始まる村づくりの 【百年の森林事業】 の挑戦が続いています。このことが結果として、若者の定住に成果を上げているのようです。

 

【百年の森林構想】 とは、「約50年生にまで育った森林の管理をここで諦めず、村ぐるみであと50年がんばろう。そして美しい百年の森林に囲まれた上質な田舎を実現していこう」 「森林事業は心と心をつなぎ価値を生み出していく『心産業』、村の資源である森林から産業を、そして仕事を生み出していこう。」 というものだ。

2009年に、私有林を対象とした西粟倉村森林管理運営に関する基本合意書の締結が行われ、村(役場)が森林を守る 【百年の森林事業】 がスタートした。【百年の森林事業】 には、<百年の森林創造事業> と <森の学校事業> がある。

<百年の森林創造事業>(川上の事業) とは、西粟倉村の森林総面積5,400㏊の内個人所有の私有林約3,000㏊を管理し、生物が豊かで、美しく安全な森林づくりが目的だ。そのための基本的方策として、①集約化による森林整備(面積の小さい森林を大きなまとまりにし、効率化する) ②長期施業管理に関する契約(森林を預かって管理・整備) ③百面の森林総合情報システムネットワークの構築(所有者ごとの境界が明確となっている) を整えた。これまでの取り組みの結果、村管理の森林管理面積は約2,350㏊と拡大してきた。間伐材の収益の分配は、平成25年度で平均販売単価9,100円/㎥となり、所有者分配金は2,800円/㎥であった。木材価格が上昇したため、収益は大幅に増加した。また、都市との交通の便が良いこともあり、民間事業者の運営する『共有の森ファンド』への投資も集まり、森林所有者に対する現地説明会『新しい森づくり発見ツアー』(役場・森林組合・森の学校共催)を開催し、村の認知度向上に努めている。その他、村内でも大型木製遊具を制作し、子どもたちが西粟倉産材に触れる機会をつくったり、誕生祝品「ウッドスタート」として地産地消の木製玩具のプレゼントや、子どもが気に触れながら育つ環境をつくるため、木育拠点整備を実施している。

<森の学校事業>(川下の事業) は、間伐材を使った商品の開発・販売(消費者に直結)を通して、西粟倉のファンをつくることが目的だ。(株)西粟倉・森の学校は、旧影石小学校跡地(昭和34年築)を利用し、平成21年10月に設立された。ここを拠点に <百年の森林創造事業> により育まれた森林をきっかけに、西粟倉を多面的に活性化し、森林を人々の暮らしに繋げていく事業だ。西粟倉産材の製材所が平成22年8月に稼働したことで、FSKに認証を受けた森林材によるオリジナル商品や新たな取り組みの可能性が広がった。西粟倉産材を使用しCO₂削減に貢献するための、東京都港区との ”みなと森と水二酸化炭素固定認証制度” の協定を締結し、自然環境を守る村として知られるようになった。また、林野庁と環境省の委託事業である「木質バイオマスエネルギーを活用したモデル地域づくり累進事業」 により、中山間地での木質バイオマスのモデルケース作りにも取り組んでいる。

このような事業展開の結果、西粟倉の生き方に共感する若者が訪れるようになった。学生のインターンシップや体験ツアー等を通して、若者の応援が集まることで、森の学校を拠点とした雇用の場が生まれ、新規事業による活性化で50人の若者が定住した。始めから若者定住を目指したわけではない。この村には森林があった。唯一の資源に全てを託し村挙げて集中することを決断したのが 【百年の森林構想】 であり 【百年の森林事業】 だったのだ。いまだに手さぐりでの取り組みだが、ここにはこれしかない。

今後、地域の課題解決の視点として、独居老人の増加に対し、再生可能エネルギーを活用した低コスト生活による 「上質な田舎」 の創造を実現していこうと考えている。単なる化石燃料の再生エネルギー化では行き詰まる可能性が高い。森林をきっかけにした木質バイオマスによる、再生エネルギーの活用が西粟倉村を支えていってくれると思っている。

 

地域自らの決断が地域自身を変え、地域活性の再生エネルギーとなることを学んだ研修でした。説明をしてくださった、産業観光課 百年の森林構想推進係 小椋課長補佐、総務企画課 粟屋課長補佐には、お忙しい中お世話になりました。ありがとうございました。

※FSK=ドイツに本部を置く国際組織「森林管理協議会」

三豊市議会議員研修会

三豊市議会議会基本条例第12条に基づく 「三豊市議会議員研修会」 が、1月23日(金)に三豊市議会議場において、議員、議会事務局員、一般市民傍聴者の参加で開催されました。演題は 「議会改革運動論~会津若松市議会の議会改革の取り組み~」 で、講師は、福島県会津若松市議会議員の目黒章三郎氏です。目黒さんは、平成7年初当選し現在4期目で、平成23年8月~25年8月まで議長を務めています。

 

議会改革は、これまで当たり前だと思っていたこと一つから取り組むことができる。たとえば、議会の議長選挙に市長を始め執行部が議場にいる必要があるだろうか。議会の議長なのだから必要はないのではないか、と考えてみることだ。

中学校の公民の教科書に地方の政治・自治に関する内容が記載されている。『栗山町議会の議会制度改革の記事』 『議会も首長も、互いに抑制しあい均衡を保つ関係』 『首長と地方議員という、2種類の代表を住民が選ぶこと(二元代表制)』があり、地域住民を起点とした政策形成(問題発見―分析―立案―決定―提案)が地方自治であることを説明している。

議会は、二元代表制の一翼として ●議決権を有する機関という重要性の認識(議決責任) ●そのために、多様な市民意見を背景に政策提案できる議会(一議員ではない議会というかたまり) であらねばならない。

会津若松市議会での議会基本条例の受け止め方は ●議会活動=顧客である市民を対象として行う新たな価値創造のための一連の諸活動 ●議会基本条例の再定義=議会基本条例とは、市民にとっての新たな価値創造に向け、市民参加を基軸とした政策形成サイクルの確立と実践によって、積極的な 【政策形成】 を行い、まちづくりの貢献していく、そのためのツールである。

議会基本条例に不可欠の3点は 1.市民と直接対話する意見交換会(住民の意見を聞く場となり、どうすればできるかを考える) 2.議員同士の自由討議(議案に対する賛成・反対・修正・付帯意見や決議など議会としての意見を示すために必要で、同じ賛成でも 異議なし賛成 も やむなし賛成 もある) 3.請願・陳情の意見陳述(西願・陳情も住民政策提言として受け止め、さらに政治への住民参加の機会を確保して、開かれた議会の一手段とする)

政策形成サイクルは、3つのツールを駆使する。 ツールⅠ:市民との意見交換会(意見聴取) ツールⅡ:広報広聴委員会(意見整理→問題発見→課題設定) ツールⅢ:政策討論会(問題分析→政策立案)

市民との意見交換会での意見、提言、要望等を起点とする政策形成サイクルは、市民から出された様々な声を、「議会に関するもの」と「市政に関するもの」に分ける。「議会に関するもの」の中で『議会自らの課題として検討するもの』は、今後の対応を検討する。次に、「市政の関するもの」の中で『議会としての政策検討課題テーマとなるもの』は、今後の対応を検討する。検討の方法は、【政策討論会全体会】 【政策討論会分科会】 【政策討論会議会制度検討委員会】 で検討を行う。その結果を市民との意見交換会へ報告する。その中での意見交換を経て、政策となる。政策となり予算化、執行されたものは、予算・決算審査において評価を行い、その結果を意見交換会で報告し、意見交換することによって、さらに政策形成していくサイクルになっている。

常任委員会における議員間討議の進め方は ①議案の内示の後、議案内容の事前調査・検討を行い、課題・論点の洗い出しを行い、それについて議員間における論点の整理・確認を行う ②当局から提出議案の内容説明の後、論点を踏まえた当局への質疑を行い、必要に応じて論点の再整理・議員間討議を行う ③討論 ④表決  の手順としている。予算・決算審査を連動させた政策形成サイクルを実行し、政策課題の解決に役立てている。

 

講演の終わりに目黒氏から、会津若松市議会における議会基本条例を出発点とした、政策形成サイクルによる具体的実践が紹介されました。政策形成のプロセスが明確であるために、議会がその政策をなぜ必要と認め、どのように形成していったのかが、市民からもよく分かるようにできています。三豊市議会における、議会というかたまりになった政策形成を目指していかなくてはならないことを知ることができました。